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中国出張(5) 日中戦争の話 其の壱 [歴史]

 話題としては、いささか下火になったかもしれないが、日本では高校生の世界史の履修不足の問題が話題になっている。最近の文部科学省の学習指導要領では社会科は選択で履修するようになっているのだそうだ。
・「地理歴史」という教科の中から、「世界史+日本史」、または、「世界史+地理」
・「公民」という教科の中から、「現代社会」または「政治経済・倫理」
僕の高校生の頃はフルコースだった。「地理」、「倫理社会」、「政治経済」、「日本史」、「世界史」全部履修した。

「近頃はずいぶんと安易になったもんだなあ」などとオッサンぽく嘆きたいところだが、実際のところ自分が高校生の頃のことを思いだしてみると、理科系志望だったこともあって世界史にも日本史にも、かなり手を抜かざるを得なかった。おまけに世界史の担当の先生が、世界史を教えたくて生きているような熱血先生で、定期テストの問題も相当に難しく、ほとんど赤点すれすれで通してもらったようなものだった。

 今日は、出張して2回目の週末である。先週は風邪で寝込んで何も出来なかった。今週は元気だ。それで暇にまかせて、今、自分がもっている歴史認識をまとめてみることにした。興味の無い人には退屈かも知れないけど、ちょっとある人はお付き合いくださいまし。週末は物書きくらいしかやることがないのです。(笑)

■義和団の乱(1900年)
1900年(区切りのいい年だね)、清で義和団という宗教団体が欧米列強の進出に反発して起こした反乱。これの鎮圧のために、列強と日本は清に派兵。以来各国は、条約により、軍を駐屯することを清国政府から許される。日本も同様に、軍を駐屯させることになった。今の感覚で例えるなら在日米軍のようなもの。

■日露戦争(1904年)
ロシアは義和団の乱に便乗して満州を占拠。そこを拠点として朝鮮半島に進出しようとした。日本はロシアの極東における南下政策(ロシアは不凍港が欲しかった)を脅威とみて、満州から朝鮮半島のエリアの勢力範囲を決めようと外交交渉、しかし、ロシアが日本をナメきっていたため、交渉は決裂し、1904年、日露戦争が始まった。
1905年、アメリカの仲介によるポーツマス条約により講和。日本とロシアの勢力範囲が確定。日本は朝鮮を保護国にし、満州の鉄道インフラを得て、南満州鉄道を設立。しかし、アメリカは満州の権益から締め出され対日感情が悪化していく。(なんだよ、せっかく仲介してやったのに、分け前をくれないのかよ、ということ。このとき、アメリカにも権益を分けていれば、歴史は変わったかもしれない、という見方もある)

■素朴な疑問
ロシアと日本がなぜ満州(清)で戦争をやるのか。清は何やってたのか。よくもそんなこと許したもんだ。
→清王朝は満州族の王朝。王朝は漢民族が満州に入ることを禁じていた。結果としてこの地域は中央に比べて野放し状態で警備が手薄になっており、結局、義和団の乱のときにロシアに占領されてしまった。日露戦争のときも日本とロシアのなすがまま。考えてみりゃ、ひどい話だよね。日本とロシアが戦争やってるのに、実際ドンパチやってる場所は清なんだから。

■辛亥革命(1912年)
清王朝が倒れ、孫文の国民党による中華民国が成立。しかし、その後、政情不安定、1928年まで軍閥割拠の状態が続く。

■ロシア革命(1917年)
ロシア革命により帝政ロシアがなくなり共産主義の総本山、ソ連が成立。共産主義拡大の防波堤として満州の重要性が一層増す。満州は、中国にとっては馬賊の横行する「化外の地」でも、日本にとってはまさに「生命線」となり、絶対にここをロシアに占領されるわけには行かなくなった。

■満州事変(1931年)から満州国建国(1932年)へ
関東軍は満州に傀儡国家(傀儡=操り人形)満州国を建国した。ここで特筆すべきは、関東軍(満州地域を担当していた日本軍)が独断でこれを進め、日本政府はこれを追認したという事実。つまり、このあたりから軍部が暴走し始めたということである。
国際連盟は日本の撤退を求めたが、日本はこれを拒否し、1933年、国際連盟を脱退した。つまり、日本にとって満州という地域は、それほど重要だったということだ。

■日中戦争(1937年~1945年)
 1937年の盧溝橋事件。日本軍の演習中に起こった発砲事件。犯人不明。中国軍と日本軍の銃撃戦になる。日本政府はこれを拡大させない方針であったが、小競り合いが収まらず、やがて全面衝突。
日本軍は山岳部を除く、ほとんど中国全土を制圧したが、いつまでたっても降伏させることはできなかった。これは、日本の軍事行動を侵略とみた米英が、中国(蒋介石)を支援したからだった。そこで日本は米英に宣戦布告、真珠湾攻撃から太平洋戦争に突入し、やがて悲惨な結末へ。
(つづく)


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