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箱根駅伝を見て考えた [雑文]

 毎年恒例の箱根駅伝。子供の頃は面白さがわからなかったけど、大人になってからは、楽しみにしている。今年も例によって、寝正月を決め込み、こたつに入ってのんびりと見ていた。そんなのんびりと見ている一般大衆と違って、走る選手たちは大変だ。今年はアクシデントで、3校も途中棄権するという大波乱になった。なんてこった。選手たちの無念さはいかばかりであろう。正月という注目度の中、極度の緊張を強いられた結果だと人は言う。じゃあ、どうすればいいんだろう。

 駅伝の始まりは、おそらく飛脚であろうことは容易に想像できる。ウィキペディアで「飛脚」を検索してみたら、案の定、次のような記述がみられた。

「江戸時代に入ると五街道は宿場が整備され、飛脚による通信制度が整えられた。江戸時代の飛脚は馬を用いず、自らの足で走った。公儀の継飛脚の他、諸藩の大名飛脚、町人も利用できる町飛脚などの制度が発達。1871年、郵便制度の成立後、飛脚制度は幕を閉じ、役割を失った飛脚は車夫などに身を転じた」

継飛脚の説明では、
「公儀の飛脚。書状、荷物を入れた「御用箱」を担ぎ、「御用」と書かれた札を持った二人一組で宿駅ごとに引継ぎながら運んだ。急を要する場合、江戸—京都間なら片道70時間で運行できたと考えられている」

 うんうん。まさにこれ。この継飛脚を競技にしたのが、駅伝なんだろう。

 飛脚は走ることが目的ではない。運ぶことが目的であって、走ることは手段なのだ。駅伝の選手がタスキをつなぐことにこだわる理由は、正にここにあるのだと思う。江戸の徳川将軍家の重要文書を箱根の関所まで届ける。この重要なミッションを確実にこなすことが飛脚の誇りであったに違いない。だから、駅伝の選手だって、タスキをつないでこそ、自分たちの走りに価値が出るはずなのだ。

 今の箱根駅伝のルールというのは、各区間で、「一人だけ」のランナーが走ることになっている。ということはその人が故障を起こせば、そこでタスキは繋がらなくなる。また、交通規制の問題があって、一定時間を超過したチームは繰り上げスタートといって、前のランナーが来る前にスタートしてしまう。そうするとタスキのリレーはそこで中断してしまう。

 そこで、ひぐらしの改善案その1。各区間のランナーを一人ではなく、二人にする。つまり、一番手と二番手を走らせるのだ。よーいドンで各チームの一番手がスタートする。それから3分後くらいに各チームの二番手が一斉にスタートする。タスキは一番手がもつ。おのおののチームで一番手を二番手が追い抜くようなことがあったら、そのときは、一番手が二番手にタスキを渡すことにする。逆に、再び一番手が二番手を追い越すときは、タスキはまた一番手に渡す。そうすれば、どちらかがタスキをつなぐことができる。継飛脚だって、二人一組で走ったのはそういう理由だったはずだ。一人が故障で走れなくなったら、もう一人がバックアップする。とにかく大切な荷物が次の飛脚に渡せなくなったら飛脚は走る意味を失う。仮に二人のランナーが二人とも故障してしまったら、これはもうあきらめるしかない。しかし、その確率はかなり小さいはず。それに、二人走るルールにすれば、補欠選手が晴舞台に立つチャンスだって生まれる。

 改善案その2。「繰上げスタート」もタスキが繋がらない悲劇を生む。このルールは交通規制する時間を短くするためらしい。だったら、復路だって、朝7時に一斉にスタートすればいいではないか。往路のときに繰り上げスタートは、たしか無かった。つまり一斉にスタートすれば、交通規制に問題はないはずなのだ。箱根で時間差をつけるから、あとの方の首都圏の交通量の多い区間に皺寄せが来て、長々と交通規制をする必要が出てくるのだ。
 その場合、では、どこで時間差をつけるかという問題が生じるが、それは、最後の10区。アンカーのスタートで、現在箱根のスタートでやっているような時間差をつければいい。それも無理だったとしたら? そしたらゴール直前だ。読売新聞社前のあの曲がり角で足止めをくらうようにすればよい。持ち時間がきたら、ゴールに一直線。まるで短距離レースのようなデッドヒートが期待できる。フライングする人がいたら? もちろん失格。でも、基本的に長距離レースだから、0.01秒を争うような勝負にはならないはず。

 まあ、僕の案がいいかどうかは、専門家に聞いてみなければわからないが、とにかく今のルールは、タスキが繋がらない悲劇を生む。競技の主催者は飛脚の原点に戻って、ルールを考えなおして欲しいと思う。


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