桜が咲いた [雑文]
さいた さいた さくらが さいた
小学校の1年生の国語の教科書の一番最初に書いてあったような気がする。普段、花のことなどまるで思わずに生活している僕も、春になって桜が咲くと気分がうきうきする。
昨年の秋から町内会の役員になり、今、近くの公園でやるお花見会の企画が進んでいる。通りに面したこの公園に桜の木があることを認識していなかった。今日、出かける途中、公園に寄ってみたら、おお、あった、あった、桜の木。ここに住んでもう11年になるというのに、今頃気づくなんて。
花がフカフカしているから、きっと染井吉野ではなく、八重桜だろう。桜の花は、他の花に比べて面白い特徴があるのだそうだ。それは、葉が揃う前に花が咲いてしまうこと。言われてみれば確かにそうだ。何もない枯れ木が一気に花をつけ、やがてまた一気に散っていく。このイベントが極めて短い期間に起こることが、日本人の心を高揚させる。
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散る桜 残る桜も 散る桜
この句は江戸時代の禅僧、良寛さんの辞世の句だと言われている。桜の花を人生に例えていることは言うまでもない。かつて特攻で散った兵士たちは、この句を思い出して自らに自らの死を納得させたという。ああ切ない。諸行無常。
だからこそ頑張らないといけないのだ。仕事でも遊びでも。花の盛りは短い。人生は短い。短い時間を無駄にしてはいけないのだ。
桜を見て、うきうきしたり焦ったり。桜は僕の心に何かを語りかけてくれる数少ない植物だ。
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