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三浦国際市民マラソン [マラソン]

3月6日、三浦国際市民マラソンのハーフマラソン(約21.1km)に参加した。前の週の2月27日の藤沢市民マラソンで、16km走った。このとき好調だったので、「ハーフマラソン(21.1km)も何とか行けそうだ」と思った。ところが、これが大間違い。制限時間をオーバーしてかろうじてゴールした。つまりタイムなし。普段、このブログは成し遂げたことばかり書いているが、このたびは失敗談を書かなければならなくなった。

 今回は、甥(姉の息子)と一緒に走る。彼は現在、短大の1年生、今、春休みで暇である。昨年、椎間板ヘルニアを患い、そのとき医者から「筋肉なさすぎ。運動して体を鍛えなさい」と言われたらしい。それ以来、ジムに通ったり、ジョギングをしたりして体を鍛えている。最近では、ハーフマラソンくらいの距離を普通に走れるようになっているという。

 甥は前日、僕の家に泊まり、当日は一緒に出かけた。京浜急行の三浦海岸駅に8時30分に到着。近所の小学校に荷物置き場と更衣室が設けられており、そこで着替えてスタート地点へ向かう。9時37分スタート。制限時間は、ハーフマラソンの場合、2時間20分だから、11時57分までにゴールしなけれなならない。自己申告タイム2時間20分のところに甥と一緒に並んだ。ドンドンドンと、スタートの花火がなった。

 コースは、海岸から山の方に入って、城ヶ島まで行き、少し違うルートを通ってスタート地点に戻る。アップダウンの厳しいコースである。それでも10kmを過ぎた時点で65分、いつもと同じペースである。このペースを守ることができれば、20kmで130分。21.1kmなら、ぎりぎりでゴールインできる。でも考えが甘かった。17kmを過ぎたあたりで、急に体が鉛のように重くなり、ちっとも前に進まなくなった。腕を振って無理矢理足を動かしていたが、しまいにはそれもできなくなり、ついにランニングを維持できなくなり止まってしまった。以後、歩く、走るを繰り返したが、残りわずか4.1kmの道のりが、これほど、長く感じられるとは思わなかった。

 ゴールしたのは、12時07分。タイムは2時間30分。制限時間を10分もオーバーしてしまった。参加賞のTシャツと三浦大根をもらった。完走証は、もらえたことはもらえたが、タイムと順位は印刷されない。順位は、6343人中0位と書いてある。ちなみに、甥のタイムは、2時間2分。なかなかやるじゃないか。ガキの頃から運動神経が鈍く、勉強もできなかったが、ようやく偉大な叔父を超えたか。なんてね。

 ところで、時間オーバーなんかしたことのないエリート達は、制限時間が過ぎたら何が起こるのか知らないだろう。だから教えてあげよう。まず計測がストップされ、ゴールのゲートが片付けられてしまう。僕が到着したときは、そこにあるはずの場所にゲートがなかった。せっかくゴールしても、みんな、まるっきり無視で、忙しく片付けの作業をしている。それから、「収容車」というのが出動し、遅れているランナーの収容に向かう。しかし、この「収容車」というネーミングはいかがなものか。なんだか、身柄をどこかの強制収容所に送られて、「このノロマめが!」とか言われて、鞭を100発くらい浴びそうである。

 ああ無情。しかし、マラソン大会は公道を封鎖して行うイベントである。大会の運営に携わる人の立場からすれば、一部の遅いランナーのために、道路をいつまでも占拠しておくわけにはいかない。時間が過ぎたら、交通規制を解除しなければならないのだから、この措置は止むを得ないのだ。

 人はショックを受けると、いろいろと考えごとをするものである。何がいけなかったんだろう。僕はこれから何をすればいいんだろう。そもそも、自分は、ハーフを走れる実力があったのかという、根本的な疑問がある。一週間前の藤沢市民マラソンのときの感触では、16kmでも結構余裕があったから、20kmも何とか行けそうだと思ったのだが、今回は、17kmで限界が来た。つまり、結構余裕があったのではなく、1kmしか余裕がなかったことになる。しかも限界は突然来て、走れなくなった。

 だいたいにおいて、練習計画が甘かった。昨年の三浦マラソンで10kmに出たあと、「来年はハーフを走る」という目標を立てた。時間は1年あったのだ。にも関わらず、20kmを一度も走ったことがなかった。(1回だけトライアルはしたが、失敗してそれっきり) これでは問題点なんか把握できるわけがない。都合のいいように(問題がないように)思い込んでしまう。結果は10分オーバー。これは早期から把握していれば解決できる問題だったんじゃないだろうか。トップランナーが自己ベストを10分縮めるのは、至難の業だと思うが、僕みたいなビリッケツランナーだったら十分に伸び代があると思うのである。

s=vt を使って、試しにあれこれ計算してみる。
21.1km÷2hr30min=21.1km÷2.5hr=8.44km/hr ⇒ 0.118h/km=7.1min/km
21.1km÷2hr20min=21.1km÷2.333hr=9.04km/hr ⇒ 0.110h/km=6.6min/km
 
 つまり、ハーフマラソンを2時間30分で走ることと、2時間20分で走ることの違いは、1kmあたりを7.1分で走るのか、6.6分で走るのかの違いである。時間にして10分の違いは、わずかな差のように錯覚するが、速さの観点に置き換えると、結構な違いになる。計算は省略するが、今回制限時間ぎりぎりでゴールインしたランナーと僕の速さを比較すると、1km走っただけで、67mもの差がついてしまうほどの違いがある。しかも長距離を走れば疲労し、疲労すれば速さは必ず落ちる。(←これ重要) 

 要するに、平均で10km/hr(6min/km)を保つためには、最初は、もっと速くなければならないことになる。まして三浦のようなアップダウンのきついコースでは、疲労はさらに激しい。いままでタイムに無頓着だったが、これから先、ステップアップして、ゆくゆくはフルマラソンにチャレンジしようとするなら、タイムにもこだわらないといけないようだ。

 惨めな思いをしたが、そのかわり新しい目標ができた。まず最初の目標は、10kmの距離を10km/hr(6min/km)を切る速さで走れるようになること。次に、そこから継続して20kmを歩かずに走り続けられるようになること。さらに、夏までに20kmを2時間以内で走れるようになること。いままで、マラソンはさほど頭を使わないものだと思っていたけれども、「疲労といかに戦うか」について知恵を絞らないといけないものだということが今更のようにわかってきた。「制限時間」というものは、交通規制絡みの事情もあるが、ひとつの「面白さ」でもある。いい刺激になった。わかってくると、なんでも面白いね。

【余談】
 甥の横顔を電車の中で見たとき、ドキッとした。目元が僕にそっくりである。こんなに似てたんだ。この子が赤ん坊の頃、親戚たちが「ひぐちゃんの赤ん坊の頃にそっくりだ」と言っていたのを思い出した。
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コメント 4

るるぶぅ

藤沢市民マラソンの時のような、トイレ事情は大丈夫でしたか?三浦は坂がネックだと思います。足に相当な負担がかかります。平地のハーフとは違うと思います。もうマラソンなんかくそくらえっ!と辞めてしまうかと思ったけど、逆に闘志が沸いたようで、良かったです♪
by るるぶぅ (2011-03-09 12:44) 

ひぐらし

るるぶぅさん、こんにちは。トイレ問題は起こりました。スタート前に行っておいても、スタートしてすぐにまた行きたくなりました。幸いにして、コースが三浦霊園を突っ切る道で、霊園のトイレを使うことができました。そのあとは安定しました。トイレ問題は難しいですね。やはりスタート前に2回行くことと、それだけの時間的な余裕を持つことが大事なんでしょうね。
by ひぐらし (2011-03-12 00:18) 

たけのこ。

「収容車」(笑)
こりゃ名前がいかんでしょ!

タイムオーバーでも労いの光景が欲しいものですね。

ひぐさんの歩く速度がハンパなく早くて、たけのこは小走りだったのに…マラソンってハードル高いですね。。

しかし、ひぐさん。
甥っ子ちゃんもひぐさんのお姉さんもマラソンにおける身体能力が高いと思います。

頑張れ!ひぐさん!
by たけのこ。 (2011-03-18 08:25) 

ひぐらし

たけのこさん、こんにちは。震災のごたごたでしばらくネットから離れておりました。タイムオーバーで、ゴールが片付けられていたのは、非常にショックでした。ちょっとくらい待ってくれてもいいじゃないか、と思いましたが、やはりどこかで切らないといけないわけで・・・。まあ、「悔しかったらもっと速く走れるようになれ」ってことでしょう。

by ひぐらし (2011-03-26 21:42) 

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