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タバコをやめてみる(2) [生活と健康]

■禁煙方法の検討

 僕の親父は、若い頃は喫煙者だった。聞いた話では、僕が赤ん坊の頃、親父の吸ったタバコの吸殻を口の中に入れてしまって大騒ぎになったという。お袋は、自分の口で僕の口に入ったタバコを吸い出した。母の愛とは偉大である。結果的に僕のファーストキスの相手はお袋になった。(しかも結構ディープ) この事件があったせいかどうかはわからないが、親父は僕が物心ついた頃には、すでにタバコを吸わない人になっていた。

 親父はかつては僕が帰省するたびに、タバコをやめろとずっと言っていた。親父の言う方法とは、「ある日突然、スパっとやめてしまえ。少しずつ減らして行こうなんてうまくいかない」というもの。おそらく、自分の経験に基づいたものなのだろう。しかし、最近は諦めたのか、もう何も言わなくなった。 

 実は、僕は過去に何回か、禁煙しようと思ったことはある。しかし、やはりやめることはできなかった。結局我慢が出来ないのである。そして我慢できないのは意思が弱いからだと思っていた。いやそれよりも、そもそも、どうしてもやめなければならないという強い動機が無かったのである。

 すこし前、俳優の舘ひろしさんが、医師の指導でタバコをやめたというTVのCMがあった。
医師 「禁煙で一番大切なものはなんだと思いますか」
舘   「気合ですか」
医師 「まあ、まずその考えから変えてみましょうか」
 これはファイザーという製薬会社のCMだった。舘ひろしさんの禁煙の方法はこの会社の薬を使う方法だったらしい。

 このCMを見て、「禁煙は気合でやるものではなく、治療するものだ」という考え方が非常に気に入った。目からウロコが落ちるとはこのことである。要するに、「薬物中毒の患者が自分の意思で薬物中毒を治せるか」ということなのだ。シャブが切れて、街頭で刃物を振り回すような奴が、自らの意思でシャブ中を克服するなどということが有り得るか。どう考えても有り得ないから、さっさと入院させた方がいい。中毒ってのはそういうものだ。アル中だって、ニコチン中毒だって本質は同じである。お医者さんや薬に頼った方が手っ取り早い。

 タバコをやめるための方法としてどんなのがあるのか、調べてみたところ、ざっと3つあることがわかった。

■チャンピックス
 上記の舘ひろしさんの方法。神経のニコチン受容体を刺激する薬なんだそうだ。従来からあるニコチンを摂取する薬では、うまく行かない人のために開発されたものらしい。(ネット情報のみ)

■ニコチンパッチ
 これは会社に経験者あり。体の何箇所かにパッチを貼り付けて、皮膚からニコチンを吸収させて、禁断症状を抑える。タバコを吸っていないのに、服がタバコ臭くなると言っていたが、その人はこの方法で禁煙に成功した。ただしパッチは高価。

■ニコレット
 有名な禁煙補助材のガム。吸いたくなったらガムを噛む。ガムからニコチンを摂取して禁断症状を抑える。

 自然に考えるなら、最初は、一番簡単で安くて手っ取り早い方法だろう。ということで、まずは、薬局でニコレットを買ってみた。12個入りで、1260円也。

2.jpg

 中に入っている説明書を読んでわかったことだが、基本的に禁煙というのは、タバコを止めようという本人の意思がなければどうにもならないということ。意思がなければ、我慢しようとしない。しかし我慢しようとしても、病気(薬物依存症)だからできない。だから、その禁断症状(注1)を緩和するための、補助的な手段として、いろんな薬が考えられている。ニコレットはそのうちの一つなんだということ。

 つまり禁煙補助剤とは、「それを飲めば自然にタバコが吸いたくなくなる」というような便利なものではなく、結局は、ある程度の意思の力が要求されるものなのである。

 買ったときに薬局の兄さんが、説明書に書いてない重要なことを教えてくれた。それは「ニコレットを噛み始める前に、手元に持っているタバコを全て吸ってしまえ」ということ。確かにこれは重要だ。残っていたら、つい吸いたくなることもあるだろう。手持ちの残り10本はお別れのつもりで、大切に吸った。

 2011年9月2日(金) 正午。最後の1本を吸い終えた。いざ勝負!

(つづく)

*****
(注1) 我々がよく使う、薬物が切れたときの「禁断症状」という言葉は、医学用語では普通、「離脱症状」というらしい。でも、この記事では、わかりやすいように「禁断症状」で統一する。
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