SSブログ

ゲルマラジオ・リベンジ(其の弐) [ラヂオ]

 7月15日(海の日)当日。11時にJR川崎駅に到着。駅を出てすぐに、6石スーパーのスイッチを入れRFラジオ日本に合わせてみたら、ものすごい大きな音がする。もちろんこれは、自宅での聞こえ方との比較である。自宅では音量をほぼ最大まで回して聞いていた。川崎に来たら、ほぼ最小でガンガン聞こえる。さすが御膝元である。

 西口から府中街道に出て、多摩川沿いに歩く。遠くに送信アンテナが見えてきた。
01.JPG

 目的地に接近するにつれて、6石スーパーは、少々音がおかしくなってきた。なにやら音が割れるようなノイズが聴こえる。電波が強すぎる影響か。これはもうスイッチを切った。

 30分ほど歩いて現地に到着。巨大なアンテナが垂直に立っている。写真で見たことはあったが、実物を間近で見たのは初めてだった。
02.JPG
03.JPG

 ゲルマラジオをカバンの中から取り出した。「RFラジオ日本の放送は、ここが源流であり、この場所よりも電波の強い場所はない」ということを肝に銘じてスイッチオン。いやいや、ゲルマラジオは電池を使わないラジオなのだからスイッチなんかあるわけがない。イヤホンを耳に当てるだけである。

 まずは、2号機(バーアンテナ)から。おおおおおおおお!!! 聴こえる!
04.JPG

 つづいて1号機(スパイダーコイル)。をををををををを!! こっちも聴こえる! しかもループアンテナ無しで!
05.JPG

 どちらも実用に足る十分な音量がある。ループアンテナの効果はというと、1号機は明らかに音が大きくなったが、2号機には効果なし。ただし回路が少し違うので単純比較はできない。

 1号機の方が2号機に比べて、なぜか音がいい。音楽の重低音が強く聴こえる。回路も部品も違うので、もちろん差は有るはずだが、何がどのように効いているのかは不明である。技術的な気付きはいくつかあって、次の実験で試してみたい内容もあるのだが、今は省略する。そんなことよりも、ただただ、ゲルマラジオが鳴ったという事実が嬉しい。

 あとはどのくらいの距離までもつのかを試してみるため、ループアンテナに1号機をつないだままリュックに入れて、JR川崎駅まで歩いてみたが、ずっと実用的な音量で鳴り続けていた。本日のテストはこれにて終了。

 RFラジオ日本の電波強度は、JR川崎駅周辺ではゲルマラジオで聞けるほど強く、僕の自宅の湘南では6石スーパーでどうにか受信できる程度に弱い、ということになる。場所がどこであってもアンテナをきちんと立てればゲルマラジオは聞こえるんだという無意識な思い込みがあったが、そうではない。この認識は改めないといけない。(注1)

 小学校のとき以来、未解決だった問題が解決した。電波の強いところに行けば、ちゃんと鳴るのだ。タイムマシンで小学校時代に戻って、当時の自分に「こうすれば聞こえるよ」と教えてあげたい気分である。ああ感動。

(おわり)

(注1)
「アンテナをきちんと立てればゲルマラジオは聞こえる」というのは理論的に間違っているわけではない。ただ、それが現実的なやり方かどうかという問題なのだ。例えば、今回の実験では50kWの送信アンテナから2km離れたところで直径30cmのループアンテナを使って十分な音量が得られた。それならば、距離を少しずつ遠くしていったらどうなるのだろうか。今、仮に(よく知らないけど)電波の強さが光の強さと同じように距離の2乗に反比例して減衰していくとすると、200km離れたら、電波の強さは10000分の1になってしまう。とすると、ループアンテナの面積を10000倍、つまり直径を100倍の30mにしなければならなくなる。こんな巨大なアンテナを建設しようと思ったら、土地を購入するところから考えないといけない。ゲルマラジオを楽しむにしても限度があるという話である。
nice!(0)  コメント(2) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 0

コメント 2

しおり

うんうん、ゲルマラジオが聴こえなかった頃にもどって、
今の自分が小学生だった当時のお子(自分たち)と関わりを持てたらならば、と思います。

あと少しだけ、ユメを延ばしてやれたんじゃなかろうかとおもう。
そんな遊び心のあるオトナって、あの当時にはいなかったよね。

高度成長、極端な左翼系の教育、マンモス校、校内暴力、、。
よーするに時間と心に余裕がないから、すべて十羽ヒトカラゲ。

表面的な平等のもとに、個性まで無視されちゃいましたよね。
だから、いまごろになってでも、もういちど、、とおもう。

聴こえなかったゲルマラジオって、ほんとに聴こえなかったのか?

聴こえなかったんじゃなくって、時間がなかったからほっぽらかされちゃって、聴こえるように工夫する部分を省略されちゃった世代だった。

この屈辱(?)自分も同じく乗り越えました、ほぼ30年後かなw。

次世代には、時間の制約を無視してでも正真と成就にいたるまでの努力を伝えねばなりません。

成果や結果は10分後に現れようが、それが10年後に現れようが
そんなこと問題ではないことが、彼らには充分わかるみたいです。

それは、30数年後にゲルマラジオの受信を次世代とともに共有体験として楽しんでいるからです。











by しおり (2014-08-20 15:18) 

ひぐらし

しおりさん、こんにちは。共感していただけて大変うれしいです。ただ私は、ゲルマラジオをしおりさんのように、教育現場の問題点と結び付けて考えたことは全くありませんでした。「頼りになる兄貴がいてくれたらよかった」とは思っておりましたが・・・。
で、ちょっと考えて見ました。もしも小学校の授業でゲルマラジオを作ったとしたら? 私の住んでいた地域では受信が難しかったと思います。そのような授業をするなら、校舎の屋上に専用アンテナでもつけておけば受信は可能だったと思いますが、それよりも先生方はトランジスタラジオみたいな簡単なもので済ませていたでしょうね。実際、中学校のときの技術科で、ラジオかインターホンを作る授業はありました。
本文でも書きましたが、ゲルマラジオは、受信できない状態から受信できる状態に持って行くという問題解決は、小学生にとってだけでなく、一般的な大人にとっても非常に難しいと思います。まあ、そういう奥深さがあるから、大人の趣味になるのでしょう。
by ひぐらし (2014-08-24 22:21) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。