SSブログ

ロボット大回転レストア(23) [ロボット大回転]

【二郎B】【肩でグリスが固着】

 足の修理が終わって、あとは問題なしと思い、ボディを組んで動かしてみたところ、肩に大きな問題があることがわかった。腕を回転させると、肩をすぐに脱臼(注1)してしまい、どうにもならない。

 詳しいことは、追って書くが、いずれにしても腕の分解は不可避になった。それで肩カバーを外しにかかったのだが、ここでさらに問題にぶち当たった。プラスチック同士が癒着を起こしていて、カバーが簡単に外れない。ドライバを突っ込んだりして無理やりこじ開けたが、やっているときに、フックのところが割れてしまった。
01.JPG
02.JPG

 中を見ると、ここに塗ったグリスが、プラスチックを溶かしてしまって、接着剤みたいに固着しているようだ。プラスチックに塗るグリスは、当然プラスチックを侵さないものを選定しなければならない。とはいえ、製造から50年経過している。このおもちゃの動作を50年保証しろと言っても、それは無理があろう。グリス屋さんの立場にたっても10年くらいは大丈夫だと言えても50年となると保証はできないだろう。
03.JPG
04.JPG

 例えば、当時、トミーでこれの設計をしたのが30歳の若手エンジニアだったとする。その人がその後30年バリバリ働いて、60歳で定年を迎え、年金生活を20年して80歳。50年とはそういう歳月である。でも作った人は老いても、玩具はそのまま生き続ける。もしかしたら、こんな現象(50年目のグリスの固着)がみられるのはビンテージ玩具ならではのことなのかも知れない。

 なお、グリスで汚れた部品は、洗浄したり、有機溶媒で拭いたり、研磨剤でこすったり、ワイヤーブラシで磨いたりして、だいたい綺麗になった。(組立のときに写真を掲載する)

***
(注1)ボディ側にカム、腕側にカムフォロワーがついていて、これが噛み合っていて、腕が回転するのと同時に伸縮する。このカムとカムフォロワーの噛み合いが、外れてしまうことを、このシリーズでは簡単に脱臼と呼ぶことにした。この現象はこのロボット特有の弱点だと思っている。


nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。