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紙で作る多面体その1 [数学]

 今年2021年の2月、お袋がバレンタインデーにチョコレートを送ってくれた。毎年必ず送ってくれるのだが、最近、昨年だか一昨年、来なかったので、心配して電話したら、うっかり忘れていたんだそうだ。だから、チョコレートをもらえる喜びよりも、お袋の頭がまだそこそこ働いていることに安堵する。

 ちょっと高級そうな、一口チョコの詰め合わせが入っていた。その中に一つ、目を引くものがあった。
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 ダイヤモンドとかミラーボールを思わせるような、どこかで見たような形である。食べる前に写真を撮っておいた。模型を作りたくなったのである。

 しかし、なんだか、わかるような、わからないような・・・。どうなってるんだ、この形は・・・。で、つい出来心で、ネット検索してしまったのだが、この種のドーム形は、分割の仕方によって、どんな形でも作れることがわかってしまい、まあ、そりゃそうか、と納得して、それ以上は見なかった。とにかく今回は、このチョコレートの形の正体を突き止めたいわけで、まじまじと見ていたら、これは、2段階に分けて考えるとよさそうだと気づいた。

■第1ステップ
地球儀の北半球を多面体で近似することを考える。そのとき、赤道を8分割して作る場合と、16分割して作る場合を両方作ってみる。

まずは8分割。
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次に16分割。
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 これを見ると、16分割の方は北極の方が細かすぎて作りにくく、8分割の方は赤道付近が粗すぎて球体からかけ離れていることがわかる。そこで北極付近は8分割、赤道付近は16分割という折衷を作ることを思いつく。


■第2ステップ
16分割の方に、写真の通り、青い線を引いてみる。
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 この線に沿って、出っ張りを削ぎ落とすと、それがつまり、あのチョコレートの形になる。ということで作ってみたのがこれ。
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 面白いじゃないか。プラモが完成したような満足感を味わってしまい、自分の作ったものにしばし見とれてしまった。綺麗な形だ。きっとダイヤモンドのカットの形状なんかも、いかに美しくカットするか、昔からずっと研究されているのだろうと想像する。

(つづく)
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青い森のヨッチン

球体に近い多面体構造物といえば今は亡き富士山レーダーのドームを思い浮かべます。
by 青い森のヨッチン (2021-07-11 15:25) 

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