リフレッシュ休暇(1)下関その1 [雑文]
僕が今の会社に就職したのは1987年だった。2012年に勤続25年になり、リフレッシュ休暇をもらった。2013年に書いた「ひぐらし大旅行」というシリーズものの記事はこのときのものだった。(注1)
今年は2022年、勤続35年でまたリフレッシュ休暇をもらうことになった。(注2)
長い休みをもらったら旅行に行きたい。でも前回と違って、今回は両親の健康が心配で、あまり長い期間の旅行にはちょっと抵抗があった。いろいろ考えた結果、日程は3泊4日の計画にした。初日は下関。壇ノ浦の古戦場を見てみたかったのだ。
7月4日、早朝、新横浜発6:51発ののぞみ5号にのり、11:14に小倉に到着。わずか4時間半、このスピードは驚異的である。そこから山陽本線に乗って下関へ。下関の駅からバスにのって、みもすそ川(注3)というバス停で降りるとその辺一帯が壇ノ浦の古戦場として整備されている。
早速、源義経と平知盛の像に対面した。義経の方は八艘飛び、知盛の方は碇を抱えて入水するところを造形したようだ。二人ともやたら男前である。
ところで、義経の八艘飛びも、知盛の碇も、平家物語の記述とは違いがある。僕は最初、これは写本による違いなのかと思っていたが、実際はそうではなく、後世の歌舞伎や能で、そのような脚色が為されたらしい。まあ、その方がドラマチックで絵になる。
実際に平家物語でどう書かれているか、読み返してみた。まず八艘飛びの元になったと思われる場面。ここは能登守教経(のりつね)が義経を討とうと、義経の舟に飛び乗ったところ、義経が形勢不利とみて、他の舟にひらりと飛び移ったという場面である。教経は追い切れず、源氏方の侍二人を両脇に抱えて道連れにして入水した。(本文中、判官というのが義経のこと)
それから、知盛が入水する場面は、平家物語の本文では、鎧を二枚重ね着して(水に浮かないようにして)沈んだということになっている。(文中、新中納言というのが知盛のこと)
ただし碇を抱えて入水するという脚色のヒントになったらしい場面が他にある。これは教盛(のりもり)と経盛(つねもり)が入水するシーンで、この兄弟が鎧の上に碇を背負い、一緒に海に入ったと書かれている。
最近フジテレビで、アニメの平家物語が放送されたが、最終回では、知盛が碇を抱えるシーンがきちんと描かれていた。(AmazonのPrime Videoで今、無料で見られる)
(つづく)
***
(注1)興味のある方、下記URLを参照
https://shonankit.blog.ss-blog.jp/2013-11-27
(注2)制度としては休みを勤続35年でもらうか、または停年前1年でもらうかの二者択一になっている。どちらも内容は同じなのだが、学歴によっては勤続35年に満たないまま停年になる人がいるので、それに配慮されているらしい。
(注3) みもすそ川・・・漢字では「御裳川」と書くらしいが、ひらがな表記が公式になっている。ここの町名も「下関市みもすそ川町」という。おそらく他所から観光で訪れる人が読めなくて不便なので、ひらがな表記にしたのだろう。
今年は2022年、勤続35年でまたリフレッシュ休暇をもらうことになった。(注2)
長い休みをもらったら旅行に行きたい。でも前回と違って、今回は両親の健康が心配で、あまり長い期間の旅行にはちょっと抵抗があった。いろいろ考えた結果、日程は3泊4日の計画にした。初日は下関。壇ノ浦の古戦場を見てみたかったのだ。
7月4日、早朝、新横浜発6:51発ののぞみ5号にのり、11:14に小倉に到着。わずか4時間半、このスピードは驚異的である。そこから山陽本線に乗って下関へ。下関の駅からバスにのって、みもすそ川(注3)というバス停で降りるとその辺一帯が壇ノ浦の古戦場として整備されている。
早速、源義経と平知盛の像に対面した。義経の方は八艘飛び、知盛の方は碇を抱えて入水するところを造形したようだ。二人ともやたら男前である。
ところで、義経の八艘飛びも、知盛の碇も、平家物語の記述とは違いがある。僕は最初、これは写本による違いなのかと思っていたが、実際はそうではなく、後世の歌舞伎や能で、そのような脚色が為されたらしい。まあ、その方がドラマチックで絵になる。
実際に平家物語でどう書かれているか、読み返してみた。まず八艘飛びの元になったと思われる場面。ここは能登守教経(のりつね)が義経を討とうと、義経の舟に飛び乗ったところ、義経が形勢不利とみて、他の舟にひらりと飛び移ったという場面である。教経は追い切れず、源氏方の侍二人を両脇に抱えて道連れにして入水した。(本文中、判官というのが義経のこと)
それから、知盛が入水する場面は、平家物語の本文では、鎧を二枚重ね着して(水に浮かないようにして)沈んだということになっている。(文中、新中納言というのが知盛のこと)
ただし碇を抱えて入水するという脚色のヒントになったらしい場面が他にある。これは教盛(のりもり)と経盛(つねもり)が入水するシーンで、この兄弟が鎧の上に碇を背負い、一緒に海に入ったと書かれている。
最近フジテレビで、アニメの平家物語が放送されたが、最終回では、知盛が碇を抱えるシーンがきちんと描かれていた。(AmazonのPrime Videoで今、無料で見られる)
(つづく)
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(注1)興味のある方、下記URLを参照
https://shonankit.blog.ss-blog.jp/2013-11-27
(注2)制度としては休みを勤続35年でもらうか、または停年前1年でもらうかの二者択一になっている。どちらも内容は同じなのだが、学歴によっては勤続35年に満たないまま停年になる人がいるので、それに配慮されているらしい。
(注3) みもすそ川・・・漢字では「御裳川」と書くらしいが、ひらがな表記が公式になっている。ここの町名も「下関市みもすそ川町」という。おそらく他所から観光で訪れる人が読めなくて不便なので、ひらがな表記にしたのだろう。
NHK大河の方では基本的に平家物語ではなく吾妻鏡ベースだったので皆さんが知っている源平合戦とはちょっと違って描かれていて不満が残る人もいるようですね
アニメの平家物語はちょうど大河ドラマの予習になってほんとうに助かりました。
by 青い森のヨッチン (2022-07-17 22:06)
ヨッチンさん。アニメの平家物語は大変よくできていましたね。よい情報をいただいて感謝しています。30分×11回という短い時間でよくあれだけのエピソードを詰め込んだものだと関心しました。吾妻鏡は一応、マンガを読んでみました。同じ時代でも、平家側から見たものと、源氏側から見たものでは、別の側面が見えて興味深いものだと思って楽しんでいます。
by ひぐらし (2022-07-20 00:44)