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万能工作機の話(1)突っ切りバイト [雑文]

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 もうずいぶん前の話になる。通販のパンフレットの中に万能工作機があるのを見つけた。ブロック(ユニット)を組み合わせることで、旋盤になったりフライス盤になったりするという。これは面白そうだと思い、買ってみた。しかし実際に手元に届いたものは、残念ながらおもちゃみたいなもので、とても使えそうになかった。やがて使うのを諦めて、友人にあげてしまった。

 さて、模型だとかおもちゃのレストアと言った工作系の趣味をもっていると、工作機械が欲しいと思うことがよくある。例えばプラモデルの場合、出来の良いキットを組んでいるときは、なにも問題ない(そもそもプラモとはそうあるべきだ)が、運悪く出来の悪いキットに出会ってしまって、改造とか、新しい部品製作が必要になったときに、「工作機があれば・・・」と思うのである。

 HAWKⅢのプラモを作り始めてから、そんなことをよく考えていた。「工作機がないから」なんて言い訳がましいことを言いたくなかったのだが、こいつが一筋縄ではいかないキットであることは確かで、製作が停滞する理由のひとつとしてこれがあることは確かなのだ。だったら解決してみれば良いではないか。工作機があることで解決する問題ならば。

 ・・・と言うことで、昔買った工作機の話に戻る。最近ではこれと同じタイプの工作機がアマゾンで売られている。おそらく僕が買ったもののコピー品だと思う。案の定、評判はすこぶる悪い。でもユニットを組み替えるといろんなことができるという発想はユニークで、この点は大変気に入っている。先日その友人に連絡をとり、「もしも使っていなかったら返してもらえないか」と頼んでみたら快諾してくれた。その友人も使わないまま物置の中に長いことしまっていたらしい。

 無事に里帰りした工作機が上の写真である。名前は「ユニマット1」という。オーストリアの"emco"という、業界では名の知れた工作機械メーカーのブランドがついている。おもちゃメーカーではないこの会社が、こういうものを作るということは、何かの企画ものなのかも知れない。

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 「このままでは使えない」という事実は変わっていない。理由はいくつかあるが、その中の一つに、「ツール(刃物)がほとんどついていない」というのがある。例えるならボール盤はあるが、ドリルがないようなもの。ドリルならホームセンターに行けば安価で買えるが、旋盤用のバイトで、しかもこんな小さな工作機に使うものなど、そう簡単に手に入るものではない。

 ということで、まず第一弾の改良。突っ切りバイトを、知り合いの加工屋さんに頼んで削りで作ってもらった。下の写真は、使ってみたところ。研ぎやすさを考えて掬い角はつけていない。
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 今後も改良は続く。

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【余談1】
 保証書を見たら、購入年月日が1997年9月。いまから22年も前のことだった。値段が当時で58000円。結構高い。こういうものを友達に譲ってしまったという当時の心境を推し量るに、もう本当に匙を投げたということなのだろう。

【余談2】
 今回 emco のサイトを見て知ったのだが、この鮮やかな赤は、 emco のコーポレートカラーのようだ。さすがヨーロッパの企業だ。こういうところはしっかりしている。一連の製品のデザインも統一性があって洗練されていてかっこいい。



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将棋、その後 [雑文]

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 二つ前の「2018年秋の出来事(4)」という記事で、NHKの将棋講座の段級位認定試験にチャレンジ中ということを書いた。その結果が出たので、これを書いておきたい。2018年10月~2019年6月まで9か月のトライアルの結果は下記の通り。(注1)

(下記で、〇は正解、△は不正解)
2018年10月 〇〇
2018年11月 〇〇
2018年12月 〇△
2019年 1月 △〇
2019年 2月 〇〇
2019年 3月 〇〇
2019年 4月 △〇
2019年 5月 〇〇
2019年 6月 〇〇

 まず10月~2月で8割。この時点で二段が確定した。初段が目標だったので、予想外にいい成績を取って満足してしまい、ここでやめようかと一旦は思ったのだが、そのうちに「この調子なら三段まで行けるんじゃなかろうか」などと欲が出てしまった。それで1月~5月で9割を目指したところ、4月の時点で間違えてしまってあえなく失敗。(甘くはなかった) そこでさらに頑張り、2月~6月でようやく9割を達成、三段が確定した。

 夏のボーナスが出てすぐに日本将棋連盟に認定を申し込んだ。三段の認定料は54000円。普通の人はびっくりする値段だと思うが、20年前の後悔を再び味わうものかと思い、確定後はためらいなく手続きをした。免状は8月の初めに無事に届いた次第である。
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 なお、送られてきた免状の中に、これを入れる免状額の宣伝ビラが入っていた。日本将棋連盟謹製。ちくしょ~~。 商売が上手い。こんなの見たら欲しくなっちゃうじゃね~か~。暮れのボーナスで買うかどうか、現在思案中である。(いいカモだな、こりゃ)
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***
 さて、この認定試験のいきさつをある人に話したところ、「そのやり方ってもしかしたら不正ができるんじゃないのか?」と言われた。たぶん誰しもが、このやり方を聞いたときに感じる素朴な疑問だと思う。つまり、問題をコンピュータに解かせたり、自分以外の将棋の強い人に相談したりすれば、自分の実力以上の結果が出てしまうではないか、ということである。

 そこで、このやり方で問題はないのだろうか、とつらつら考えてみたのだが、不正をしても本人に都合の良いことが何も起こらない。することが全くの無意味であり、現実にそんなことをする人はほとんどいないのだろう。結果、このやり方でいいのだ、という結論に至った。(NHK将棋講座と日本将棋連盟の名誉のために)(注2)


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(注1)NHK将棋講座の段級位認定の仕組みについては、下記URLを参照。
「2018年秋の出来事(4)」
https://shonankit.blog.so-net.ne.jp/2019-01-13

(注2) 
1)不正をしてもそもそも意味がない
 自分以外の人に問題を解かせるのは、英語検定を替え玉で受験するようなものである。こういう試験は自分の実力がどれほどのものかを自分で知りたいから受ける試験である。受験料を払って、人に問題を解かせるとは、どういうことなのか。もしかしたら見栄を張るための道具として取る、という人がいるかも知れない。しかしそれもずいぶん程度の低い話で、そんなのはごく少数だろうと思う。

2)不正をしても得をしない
 将棋で何段とったところで一般企業の就職活動に有利になることはない。国会議員に立候補する人がプロフィールに将棋何段と書いてあっても、親しみがわく程度であって公約や政治理念や手腕とは無関係である。完全に趣味のものであって、この肩書で得をすることはない。

3)不正をしても利益がない
 例えば「9割の正解率の人に、もれなく100万円をプレゼント」という企画ならば不正をやる人がいくらでも出てくるだろうと思う。しかし実際は9割正解したら、免状を得るためにはその人がお金を払うのである。不正をやるような(=利益を不当に追及するような)性質の人が、決して安くはない認定料を好んで負担するとは、とても思えない。

4)不正をしても自分が損をする
 認定試験で不正をするとは、つまり自分の実力が「低い」のに「高い」と評価されることを意味する。仮に1級の実力の人が不正で三段として公式に認定されてしまったとする。すると公式大会では三段の部に出場することになる。まず間違いなく負けるだろう。不正をして勝ったら問題はあるが、負けるなら直接的な被害は誰にも及ばない。

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