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ロボット大回転レストア(20) [ロボット大回転]

【一郎B】【顔の部品】

 顔を作っている部品は、1号の場合は、銀色にめっきした部品を内側からはめ込んで外へ見せる構造になっている。このめっきが結構剥がれているので、塗装で修復する。
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 裏側から見ると、4か所でカシメて固定しているのがわかる。
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 カシメを削って、顔の部品を取り外したところ。
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 銀色のメッキを研磨剤で剥がす。
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 銀色の塗料(クレオス「Mr.カラー」の8番)をスプレーする。
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 カシメを削ってしまったので、取付け用のスタッド(黄銅製)を瞬間接着剤で立てる。このスタッドは、M2のめねじが切ってある。(たまたま手元にそういう部品があったので使ってみた)
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 プラバンでブリッジを作り、顔の部品に押し付けて固定する。
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 出来上がり。
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ロボット大回転レストア(19) [ロボット大回転]

【一郎B】【電池ケースカバー】

 このおもちゃは足の中が電池ケースになっている。電池を入れるところにはカバーがあるのが当然であるが、この「一郎B」は両足とも無くなっていた。だから修理ではなく復元をしなければならない。そのための方法をいろいろ考えた。参考のためにジャンク品(別のもの)から取り出したカバーの写真をのせる。
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 いきなり話が逸れるが、このカバーには当時のトミーのロゴマークが刻印されている。男の子と女の子が手を繋いだこのマークは、子供の頃、僕の頭の中でロボット大回転と結びつき、「トミーはすごいおもちゃを作り出す会社なんだ」というイメージが出来上がっていた。
ロゴマークの持つ強いメッセージの力を改めて実感する。純真な子供の心にこういうイメージを植え付けるのだから責任も重大である。僕はこのマークが大好きだったが、今はタカラトミーになって別のマークが使われている。諸行無常。
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 さてカバーの復元にあたり一番悩んだのは、閉じて固定する方法だった。元のものはナイロンの弾力でフックを変形させてそれをひっかけるようになっている。しかし、このフックをそっくりそのまま復元するのはなかなか難しい。形だけを作ることができてもすぐに壊れてしまいそうである。・・・磁石を使う方法など、いろいろと悩んだ挙句、結局は手堅いところで、ねじ止めをすることにした。(紛失しやすいデメリットはあるが、工作の簡単さや固定の確実性を考えて、やむなしと判断)

 まずは欠けたところをプラバンで修復する。(これは三郎Bのときと同じ)
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 プラバン、アルミパイプ、黄銅の棒、アルミアングルで、写真のような部品を作る。素材は幸いにして、すべて湘南キット研究所の在庫品でこと足りた。(工作をするたびに、部品や素材を少しずつ買うので、自然といろいろな種類の材料が溜まっていく)
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 瞬間接着剤で接合する。
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 組み上がったところ。
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ロボット大回転レストア(18) [ロボット大回転]

【一郎B】【カムフォロワー】

 この記事から2台目のレストアに入る。でも、1台目、2台目とか言っても、区別がつきにくいので、名前を付けることにした。2台目は「一郎B」。ちなみに前回までやっていた1台目は、「三郎B」という。(注1)

 さて、この「一郎B」も腕をいったん外さなければならないので、重傷の部類に入ると思う。

 腕を外したところ。
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 カムフォロワーが割れている。この細かい部分がよく紛失しなかったと思われるかも知れない。これは、カムのところにグリスが塗ってあって、粘り気で張り付いていたからで、これは幸運だった。「三郎B」のときは、カムの方が割れていたが、フォロワーの方が割れるケースもあるようだ。
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 単純に割れたプラスチックは、瞬間接着剤で簡単に着く。この部分は、正常に使っていればさほど大きな力がかかるものではないので、補強は特にしないことにした。
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****
(注1)ロボット大回転(第1世代)には1号、2号、3号の3種類がある。1号を「一郎」、2号を「二郎」、3号を「三郎」と名付ける。同じ種類が2台以上あるものは、入手した順にA、B、と識別子を付ける。こうやって名前をつけないと、記事を書いている僕本人が、なにかと不便なので。


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ロボット大回転レストア(17) [ロボット大回転]

【標準手順書】

 前の記事(16)でとりあえずレストアが1台完了したが、他にも同じように修復の必要なものが何台か控えているので、モチベーションが上がっているこのタイミングでできるだけやってしまおうと思っている。そのため、簡単な作業標準みたいなものを作ってみた。すべてのモノで全部の作業をやるとは限らないが、類似した故障がかなりあるので、このリストに従って作業すれば、かなり効率が上がるはずである。


□ ボディ固定用ねじ(おねじ)交換
□ ボディめねじ(めねじ)修復
□ ボディ合わせピン修復
□ カムとカムフォロワー確認
□ 肩カバー外す
□ 圧入リング切断、外す
□ 腕の洗浄
□ 足の支点ピン3本、 取外し 
□ 足の支点ピン3本、直線に整形
□ 足の底部の割れ補修
□ 足の上部ピン穴の補強
□ 第3歯車(10歯)製作
□ ギヤとモータの交換(グリスアップ)
□ 電池用電極の研磨とリード線半田付け
□ 銅シャフト整形(回転させながら)
□ 乾電池ケースのカバー製作
□ ボディと足の研磨と塗装
□ 足の取付けと配線
□ 腕の取付けと肩幅の調整
□ ボディと肩カバーの取付け
□ 試運転




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ロボット大回転レストア(16) [ロボット大回転]

【肩幅の調整】

 下の写真は、足の組立まで仕上がったものをボディの後ろ側にあてたところ。 肩幅が広めになっていて腕とボディの間の隙間が、結構空いている。
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 この隙間にはちょうどよい幅がある。狭すぎると過大トルク保護機構(注1)が働かない。逆に広すぎるとカムとカムフォロワー(注2)が噛み合わない。ちょうどよい幅にするためには、下の写真の部分、つまり圧入リングからの銅シャフトの突き出し量を3.5mmくらいにするとよいようだ。
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 ボディをつけて肩カバーを付けて完成したのが下の写真。最初の状態と比較すると見違えるようだ。・・・というより知らない人が見たら間違いなく見違える。姿が全然違うのだから。
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 以前にお見せしたのと同じようなものになってしまうが、一応、動いた証拠としての動画をつけておく。元気に復活した姿を見て、「このロボット、20年も30年も倉庫で眠っていたんだろうな」などと想像してしまった。レストアできて感無量である。






***
(注1)過大トルク保護機構については下記を参照。
ロボット大回転レストア(5)
http://shonankit.blog.so-net.ne.jp/2018-02-07

(注2)カムとカムフォロワーについては下記を参照。
ロボット大回転レストア(4)
http://shonankit.blog.so-net.ne.jp/2018-02-06


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ロボット大回転レストア(15) [ロボット大回転]

【足の組付け】

 いよいよ終盤に差し掛かってきた。足の組付けに入る。足の底は単2乾電池のケースになっていて、黄銅の電極がついているが、汚れや腐食がひどく、最初はこんな状態だった。このシリーズの(7)の記事で、「屋外に近い状態のところに置かれていたと思われる」と書いたのは、この電極から想像したのだった。(たぶん電池の液漏れも起こしている)
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 とにかく、これを磨いて綺麗にしないといけない。紙やすりでこすったり、サンポールやカビキラーに漬けたりなどいろいろやってみたが、結局うまくいったのは、ステンレスのワイヤーブラシ。これで、ガ~~っと物理的に磨いてしまうのが一番簡単だった。
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 電線を半田付けする。
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 電極を足の中に元通りに組み込む。
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 足だけを組んだ状態。
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 プッシュナット部拡大。
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 ギヤボックスに取り付けてみた。当初あったO脚のようなゆがみは無く、真っ直ぐになっている。
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 ガタもほとんどない。まるで新品みたいだ。
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ロボット大回転レストア(14) [ロボット大回転]

【塗装】

 塗装については、ちょっとした葛藤があった。最初の考えでは、ボディのプラスチックの色とほぼ同じ色をつくって、補修した白いプラバンに塗り、補修の痕跡を隠そうと思っていた。普通はそう考えると思う。しかし補修作業をやっているうちに、補修した箇所が愛おしく思えてきてしまい、このまま塗装せずに残そうか、などと思い始めてしまったのだった。

 そもそもこのレストアは90%自己満足のためにやっているので、その意味では、「塗装しない」という選択肢もあるのだが、もしも自分の補修した、塗装のないものが中古市場に並んだとしたら、それを見た人は「ツギハギだらけだ」という評価を下すだろう。ひぐらしという人間が、それを修復したプロセスは見えない。見えるのは結果だけである。

 やはり、レストアしたものを作品として見た場合、その評価は自分ではなく他人が決めるものだ。自己満足とは言え、そういう客観的な視点もちょっとだけ持っておくことにしようと思った。

 さてボディの青い色を、プラモデル用のミスターカラーで調合した。使ったのは、次の3色。
No.34 スカイブルー
No.80 コバルトブルー
No.66 デイトナグリーン
ただし色の配合は、肉眼で見て合わせ込んだので、全く覚えていない。次回また同じ色を調合しようとしても微妙に変わってしまうだろう。(注1)
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 補修した部分(白いプラ板)に塗ってみた。久しぶりにエアブラシを使った。実際に塗ってみると、光線の加減(蛍光灯か、自然光かなど)によっても見え方が違うので、全く同じ色にはならなかった。でも、もしかしたら色彩の感度も人によって違っていて、「そっくりだ」と言ってくれる人もいるのかもしれない。
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 それから、銀色の部品は、あえて金色に塗ってみた。これは、自分の持っているロボットのコレクションの中に今回の修理品と全く同じ種類のもの(注2)があって、これと区別がつきにくくなるからというのと、あとは単純に「金色にしたらどんな感じになるんだろう」という遊び心である。
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***
(注1)色の調合の再現が困難な理由は、もとの塗料の濃度が管理されていないからである。たぶん、品質管理のしっかりした顔料を、質量を精密に測定して混合すれば、人間の目では識別できなくらいのレベルで同じ色が再現できるだろうと思う。実際、ペンキとか絵の具のメーカーはそのようにして品質管理をしているはずである。しかし、個人で持っている小瓶の中から塗料を出して混ぜる場合は、そもそも濃度を管理していないから、体積で測定しようと質量で測定しようと無駄である。2回目に混色するときに、もとの塗料の濃度が1回目と同じになっている保証はない。実際、溶媒が自然に蒸発していくので、久しぶりに開けた塗料はかなり濃くなっている。

(注2)後にそれを「三郎A」と命名。

(余談)
 プラモデルの場合、キットの組立説明書の中に、各部品に塗る塗料の番号が書いてある。つまり、モデラ―が調色の手間をかけなくても済むような仕組みが、模型業界の中で出来上がっている。今回調色をしてみて、改めてこの仕組みに感動した。プラモデルって単なるプラスチック部品のセットではない。モデラ―に対するそのようなきめ細かい配慮があって初めて「キット」になるのだと思う。
 ひぐらしのキットに対する熱い思いはこちら。
http://shonankit.blog.so-net.ne.jp/2009-02-02



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ロボット大回転レストア(13) [ロボット大回転]

【ツノの取付け】

 ツノを取り付けるにあたり、元々ツノが生えていたところを整地する。

 まずはもとの形状、右側。
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 これの穴をルーターで削ってφ10の真円に近づける。
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 左側も同様。
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 例によって、厚さ2mmのプラバンでφ10の円板を作る。
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 これを穴にはめ込む。
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 瞬間接着剤で前側半分だけを固める。全部固めたらボディを分割できなくなるのは言うまでもない。φ10の円板を分割することも考えてみたが、このやり方は工作がややこしくなるだけで、大したメリットはない。
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 この円板に、前の記事で作ったツノを差し込む。
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 プラ板にφ3のドリルで開けた穴と、ツノの中心軸に使ったアルミパイプφ3は、はめ合わせたときに、ちょうどうまい具合に摩擦が働いて固定できる寸法関係になっていたので、接着等はせず、摩擦だけで固定した。
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ロボット大回転レストア(12) [ロボット大回転]

【ツノを作る】

 第1世代の3号には、頭の上にツノのような突起がある。(もちろんこれは単なるデザインであり、何かの機能をもっているものではない)これに対して、現在レストア中のものは、このツノが完全に折れて無くなっている。写真は、このシリーズの最初の記事を参照。(注1)

 これをどうやって再生するかをいろいろと考えた。ツノの折れていない同種のものをもっているから形状と寸法はわかる。だったら一番簡単なのは、図面を引いて加工屋さんに依頼してしまうことである。ただ、この部分は球面があるので工賃は結構高くなるはず。下手をしたら、落札価格よりも高くなってしまうかもしれない。安く作るにも知恵が必要だ。(知恵を絞ればボケ防止にもいいかもしれない)

 結局、こんなやり方を思いついた。まず、プラ板を丸く切り抜く。
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 ツノは完全に円形断面なので、円板を集合させて積み重ねれば、それなりの形ができるはず。
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 積み重ねるとこんな感じ。
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 ヤスリで整形する。
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 完成。
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 さて、次はこれをどうやって、このガジガジに割れた穴に取り付けるか。
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(注1)参考URL 
ロボット大回転レストア(1)
http://shonankit.blog.so-net.ne.jp/2018-02-03



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ロボット大回転レストア(11) [ロボット大回転]

【モータと歯車の交換】

 前の記事に書いた通り、3つのプラスチック歯車はすべて割れている。これらについて、それぞれ次のような対応をすることにした。

■第2歯車・・・割れてはいるが、回転を伝える機能は残っているのでここは交換せずにそのままにする。なお、これから交換が必要になったとしても、ギヤボックスの外側だから容易に交換できる。
■第3歯車・・・金属製に交換する。ここは壊れやすく、しかも修理のために、ギヤボックスを開かなければならない奥まった位置にあるので、入念に補強修理し、簡単に壊れないようにする。
■第1歯車・・・プラスチック歯車に交換する。第3歯車と同じく、割れやすいので金属製にしたいところだが、第3歯車の修理で結構な冒険をするので、トラブルがおきたときに当面、分解作業が容易にできるようにしておきたい。なおプラスチックでも数年の寿命はあるだろう。(注1)

 以下、交換作業。歯車を交換するので、この際だから、ついでにモータも新品に交換する。

 第2歯車と第3歯車の間にあるカシメをルーターで削り、第2、第3歯車を取り出す。
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 こちらが新しく取り付ける第3歯車。ネットで探して穴径がシャフトのφ2.5に合うものを買ってみたが、設計が悪く、止めねじの噛み合いが不足していたので、半田で肉を盛り上げてめねじを切り直した。
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 板金の曲げをドライバで起こして、ギヤボックスを開く。
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 モータとギヤを外した状態。
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 新しくつけるマブチモータ。なお、第1歯車は、ネットで見つけた10歯のものを使う。9歯のものは現在入手困難らしい。
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 モータをつけたところ。
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 第1、第2、第3歯車。
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 モータに通電して動作を確認した。ようやく動きだした。「人造人間キカイダー」を作った光明寺博士みたいな気分になってきたぞ。




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(注1)現代の技術では、プラスチック歯車はポリアセタール(POM)というエンジニアリングプラスチックで作るのが定番になっている。しかし割れた歯車を見てみるとどうもPOMではなさそうで、たぶんナイロンではないかと思う。歯車をナイロンからPOMに置き換えただけでも、耐久性はかなり上がると考えられる。
【メモ】
デルリン(POM) 米デュポン社  1960年開発
ナイロン 米デュポン社   1935年開発
 このおもちゃが発売された1969年当時は、POMが開発されて数年しか経っていない頃で、玩具業界まで普及していなかったのではないかと思われる。

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