映画を観るきっかけ [映画]
学生の頃だったと思う。「楢山節考」という映画があった。姥捨山伝説を題材にとった真面目な映画だった。ところが、それのポスターがとんでもない。出演している女優が足を広げ、それをみすぼらしい男が覗き込んでいる、エロチックな写真だった。今の感覚だったらこのポスターはNGだと思うんだが・・・。このシーンは、つまり、貧しい農村で、長男しか嫁をもらえない掟があって、次男以下は農奴として飼い殺しにされる。性欲をもてあました男が、やむなく闇で女の慈悲で体を許してもらう、というそういうシーンであって、映画のメインテーマではなかった。でも、観客を動員する目的で、そんなインパクトのあるシーンをポスターにしたのだろう。当時の僕は、このポスターにまんまとノセられて、友人を誘ってこの映画を観に行った。感動的な映画だった。結果オーライ。
最近の映画で、「博士の愛した数式」というのがあって、これが気になっている。僕のこよなく愛するオイラーの等式(オイラーの公式の変数にπを代入したときに得られる結果)が黒板に書いてある。それだけで、そそられてしまう。本来、映画のメインテーマではなさそうなものに惹かれてしまうサガは、昔も今も変わらないようだ。きっと映画を観れば、それなりに感動するだろう。でも、もう上映している映画館も少ないようだし、きっと、DVDで観ることになりそう。数学という、一般の人に敬遠されがちなものが舞台に登場し、数学者が家政婦とその子供と心の交流をもつ、なんて、ときめいてしまうではないか。
2006-03-21 10:17
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お初に御座います。
オイラーを普通に『おいら』だと思つた無知な人間で御座います。
『博士の愛した数式』はわたくしもとても興味深く思つて居ります。
なにより『深つちやん好き』であり、彼女の麗しき様は常常目を瞠るものを感じて居りました。
限られた時間で紡がれるもの、気になる処です。
by 胡桃 (2006-03-24 05:54)
胡桃さん、こんにちは。ようこそいらっしゃいました。初の書き込み歓迎いたします。深津絵里さんは、いい女優ですよね。以前はTVのコマーシャルしか知らなかったけど、「阿修羅のごとく」を見た頃から、僕も注目しはじめました。今回の家政婦の役もけっこうハマリ役のようです。
おいらではなくオイラーの公式を導いたオイラーという数学者はスイスの人です。研究しすぎて失明したそうです。しかも業績が膨大すぎて全集の刊行がまだできてないんだそうです。友達だったら、「やりすぎだよ、おめー」、と言ってあげたいところ。
by ひぐらし (2006-03-24 23:57)