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デジタル写真と銀塩写真 [カメラ]

 「日本カメラ」とか、「アサヒカメラ」とかという雑誌は、写真愛好家の読む雑誌だけど、ウィキペディアによると、これらの雑誌は写真そのものに比べて、写真機材に関する記事が多いのが特徴なのだそうだ。つまり、日本の写真愛好家はカメラ愛好家でもあるということだ。これは私も、かなり納得のいく話だ。

 先日(3月の中旬のこと)、 あるカメラ屋さんのネットショップを見ていたら、PENTAXのMXのシルバーを売っていたので、衝動買いしてしまった。28mmのレンズも併せて買った。

 カメラというのは、写真を撮るための道具だから、手にすれば写真を撮りたくなるのは当然の成り行き。根っからのインドア人間の私が、春分の日、珍しく散歩に出ることにした。モチーフは「江ノ電」。関東以外の人のために書いてみると、江ノ電というのは、藤沢~江ノ島~鎌倉をつなぐ私鉄で、「江ノ島電鉄」を短く縮めて「江ノ電」という名前で親しまれている。短い路線で、電車も小さく、普通の住宅のすぐ脇をすり抜けるように走り、途中で、ちょっとだけ路面電車になり、海岸線を走り、という風にいろいろなシーンに遭遇することができる。

 36枚撮りのフィルムを全部撮り、現像に出してみた。下の写真は、自分では楽しみにしていたもの。(プリントした写真をさらにデジカメで写すアホらしさは見逃してくれ~)ちなみにこの写真は50mmの標準レンズで映したものだ。

 「鎌倉高校前」の駅で、江ノ島をバックにとった江ノ電。さぞかし良い絵がとれているだろうな、と思っていたが、さにあらず。逆光で肝心の江ノ電は暗くなってしまった。しかも、現場では見えなかった電柱がしっかり写りこんでいる。写って欲しいものが写ってくれない。写って欲しくないものが写りこむ。自分が思い描いた絵とのあまりのギャップに、すごいショックを受けた。そして、深~く考えこんでしまった。このデジタルカメラ全盛の折、あえて銀塩写真を撮る意味を。

 デジタルと銀塩では、プロに言わせれば表現の性質が異なるのだという。しかし私の場合、そういうレベルの話ではない。銀塩は、もっとベーシックな段階、つまり修行段階で写真に必要なものを教えてくれそうな気がする。デジタルに比べて銀塩はシャッターを押すことの意味が重い。シャッターを一回押すたびにコストが発生する。しかも成果を確認するまでに、時間がかかる。時間とお金を無駄にはできない。だからこそ、一回一回の撮影に対して真剣になる。構図を考え、光の量や向きを考え、一回一回、慎重にシャッターを押す。それでも上手く撮影できなかったとき、さらに原因を真剣に考える。それを繰り返せば、きっと上達するだろう。これから、デジタル写真と銀塩写真を使い分けようと思う。

 な~んて、いろいろ考えてはみたものの、結局、MXを使うための口実が欲しいだけだったりして。何しろ初恋のカメラなもんで。(^_^;; (MXちゃん、また散歩に行こうね♪)


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borsalino3

江ノ電はなにか広島市内を走っているチンチン電車とオーバーラップしますねぇ。 江ノ島もテレビなんかで良く見る景色です。 
同じ海でもコチラの方は造船ドッグやら潜水艦やらクレーンやらでまるで違う景色です。 地域差で趣があって面白いです。

デジタルと銀塩>デジタルはプリント後も01010101の無機質な感じが私には感じられる(気のせいかも)のですが・・・。
やっぱり写真は銀塩でアナログの温かみがあるモノがいいです。

記憶に残したいモノは銀塩で、記録に残したいモノはデジタルで、という感じでしょうかねぇ、私の場合は。
by borsalino3 (2007-04-22 23:31) 

ひぐらし

ボルサリーノ3さん、こんにちは。「記憶に残したいモノは銀塩で、記録に残したいモノはデジタルで」というところ、同感です。以前は、選択の余地なく銀塩だったので、とにかく「数撃ちゃ当たる」式にたくさん撮ってました。この撮り方は記録したいがためにしていたわけですが、そういう撮り方をするときは最近はデジタルでできるわけで、銀塩写真はもっと大切なものをとるためにとっておくという使い方ができそうな気がしています。「作品作りは銀塩で、単なる記録はデジタルで」なんて言い方もできそう。今日は初めてリバーサルフィルムを使ってみました。
by ひぐらし (2007-04-23 04:11) 

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