HERZの鞄 [雑文]
東京の渋谷に革作りの鞄専門のHERZというお店がある。ひとつひとつが職人の手作りなんだそうで、発注から納品まで2～3週間はかかるという。いつだったろうか、あるサイトのリンクから、この店の、ある鞄を見つけ、それに一目惚れしてしまった。1年くらい（かな）迷った結果、このたび、10月4日、青山の直営店に行き、とうとう買ってしまった。43000円也。
僕にはもともと、カバンフェチの傾向があって、服装には全く関心はないが、鞄には、ある程度のこだわりがある。にもかかわらず、通勤用の鞄だけは、昔から安くてどうでもよいようなものをずっと使っていた。それは結局、毎日酷使するものだから、そんなによいものを買ってもすぐに傷んでしまうと思っていたから。しかし、そのサイトで、この鞄に出会ってからは、「これをもって毎日通勤したら、通勤も楽しくなるだろうな」、なんて、ときどき思い出しては空想していた。
ただ、ひとつ気がかりな点があった。僕が今までずっと使っていたのは、中央がファスナーで閉じ、裏表から持ち手が2本出ているタイプだった。これは持ち手に腕を通すことが出来るので、買い物のときは、両手を使うことができる。ところが僕の惚れ込んだこの鞄は、一本の持ち手を掌で握って持つタイプだ。これは腕を通すことができない。ショルダーバッグにするための紐がついているが、普通のときに邪魔になるので、これはあまり使いたくない。いろいろ考え、結局は、自分のやり方を鞄に合わせることにした。つまり、カバンをもったまま、両手を使うというのはあきらめ、もうその状況になったら床に置く、と割り切ることにした。
使い始めて、ようやく一週間。通勤で歩いているときに、町のお店のガラスに写るこの鞄は、やっぱりかっこいいと思う。しかも、これがきっかけになって、自分自身がもっとかっこよくならないといけない、なんて思うようになり、肥満傾向を解消しようとか、新しいズボンや靴を買おうか、などと考えるようになった。心境の変化とは何がきっかけになるかわからないものだ。
この鞄は、中学生当時、親に買ってもらった学生鞄と似ている。しかし、当時はさほど愛着がわかず、単なる道具にすぎなかった。そればかりか使い勝手のあまり良くない道具だと思っていた。重くて、しかも中にあまり物が入らない。また片手が完全に塞がってしまう。運動部に入っていたから、必ずスポーツバッグを一緒に持っていた。その効率の悪さから、次第にこの鞄から離れ、高校時代は、マジソンバッグ（注）だけで通した。
今、新しいこの鞄を持ってみて、「学生鞄の意味」というものがよくわかった。この鞄は、「中に入れた書物が傷まない」ようになっているのだ。やわらかい繊維のものは、生地が容易に変形するため、本やノートが生地と擦れて角部が痛みやすかった。ところが、厚手の革でできた鞄は硬い箱と同じだから、この問題が起こらない。結果的に、本やノートを運ぶのに適した鞄ということになる。いかにも学生にふさわしいものではないか。当時、親に買ってもらったあの鞄、もっと大切にすればよかったな、なんて今更ながら申し訳ないような気持ちになってしまった。その分、新しいこの鞄を長く大切に使おうと思う。
＊＊＊＊＊＊＊＊
（注）僕が高校生の頃にかなり流行したボストンバッグで、表に「MADISON SQUARE GARDEN」という文字がプリントされており、通称マジソンバッグ。まるで高校生指定バッグのように、猫も杓子もこれを持っていた。安くて使い勝手もよく、サイズも手ごろだったので重宝した。
僕にはもともと、カバンフェチの傾向があって、服装には全く関心はないが、鞄には、ある程度のこだわりがある。にもかかわらず、通勤用の鞄だけは、昔から安くてどうでもよいようなものをずっと使っていた。それは結局、毎日酷使するものだから、そんなによいものを買ってもすぐに傷んでしまうと思っていたから。しかし、そのサイトで、この鞄に出会ってからは、「これをもって毎日通勤したら、通勤も楽しくなるだろうな」、なんて、ときどき思い出しては空想していた。
ただ、ひとつ気がかりな点があった。僕が今までずっと使っていたのは、中央がファスナーで閉じ、裏表から持ち手が2本出ているタイプだった。これは持ち手に腕を通すことが出来るので、買い物のときは、両手を使うことができる。ところが僕の惚れ込んだこの鞄は、一本の持ち手を掌で握って持つタイプだ。これは腕を通すことができない。ショルダーバッグにするための紐がついているが、普通のときに邪魔になるので、これはあまり使いたくない。いろいろ考え、結局は、自分のやり方を鞄に合わせることにした。つまり、カバンをもったまま、両手を使うというのはあきらめ、もうその状況になったら床に置く、と割り切ることにした。
使い始めて、ようやく一週間。通勤で歩いているときに、町のお店のガラスに写るこの鞄は、やっぱりかっこいいと思う。しかも、これがきっかけになって、自分自身がもっとかっこよくならないといけない、なんて思うようになり、肥満傾向を解消しようとか、新しいズボンや靴を買おうか、などと考えるようになった。心境の変化とは何がきっかけになるかわからないものだ。
この鞄は、中学生当時、親に買ってもらった学生鞄と似ている。しかし、当時はさほど愛着がわかず、単なる道具にすぎなかった。そればかりか使い勝手のあまり良くない道具だと思っていた。重くて、しかも中にあまり物が入らない。また片手が完全に塞がってしまう。運動部に入っていたから、必ずスポーツバッグを一緒に持っていた。その効率の悪さから、次第にこの鞄から離れ、高校時代は、マジソンバッグ（注）だけで通した。
今、新しいこの鞄を持ってみて、「学生鞄の意味」というものがよくわかった。この鞄は、「中に入れた書物が傷まない」ようになっているのだ。やわらかい繊維のものは、生地が容易に変形するため、本やノートが生地と擦れて角部が痛みやすかった。ところが、厚手の革でできた鞄は硬い箱と同じだから、この問題が起こらない。結果的に、本やノートを運ぶのに適した鞄ということになる。いかにも学生にふさわしいものではないか。当時、親に買ってもらったあの鞄、もっと大切にすればよかったな、なんて今更ながら申し訳ないような気持ちになってしまった。その分、新しいこの鞄を長く大切に使おうと思う。
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（注）僕が高校生の頃にかなり流行したボストンバッグで、表に「MADISON SQUARE GARDEN」という文字がプリントされており、通称マジソンバッグ。まるで高校生指定バッグのように、猫も杓子もこれを持っていた。安くて使い勝手もよく、サイズも手ごろだったので重宝した。
ホークⅢを作る
思い出のバイク、HONDA CB400N(HAWK Ⅲ)の製作にチャレンジ中。
ENZO FERRARI
初めての自動車モデル、エンツォ フェラーリを友人から依頼されて製作。
スズキRG250Γ
タミヤのRG250Γを作りながら、バイクにまつわる懐かしい思い出を発掘。
ホンダVF750F
ホンダVF750Fを作りながら、バイクにまつわる懐かしい思い出を発掘。
紫電
旧帝国海軍の局地戦闘機「紫電」。タミヤとハセガワのキットの比較研究。
「紅の豚」サボイアS21F
スタジオジブリの映画「紅の豚」のポルコの愛機サボイア。フィオが修理した後期形です。映画を観ながら製作を楽しみました。
Ｆ-14Ａトムキャット
ハセガワの1/48「F-14Aトムキャット」。組立は終了し、あとはディスプレイを残すのみとなりました。アクリル製のスタンドを作って着艦直前のシーンを作る予定であります。
いや～、ご無沙汰!
いつの間にやら随分たまってるねぇ^^；
見返すのが大変だ。
ぼちぼち見返しながら、茶茶入れておきますよ~
鞄は・・・イカスね><b カッコいいじゃない!
ただ・・・意味不明なトラックバックは・・・何とかならないのかねぇ・・・；；
by MadScientist (2008-10-28 00:35)
MadScientistさん、ご無沙汰です。最近はバイクに凝ってます。でも、このところ、何かとイベントがあって、プラモが出来ないのです。年内一杯はずっとこんな調子が続きそうです。
トラックバックは普段気にしていませんでしたが、たまに気づくと変なのがついている。まともなのが来たことがないので、受け付けない設定にしました。見苦しいですからね。また遊びに来てください。
by ひぐらし (2008-11-02 17:43)
最近のバイクの凝り様、納得です＾＾。
イベント尽くしは人徳の顕れ。
最近は圧縮されまくっているので、折を見て、（ガス抜きにでも！）お邪魔しますよ。
by MadScientist (2008-11-03 20:03)
ひぐらしさん、こんにちは♪
かばん、素敵ですね。
きっと、とっても似合うと思います。
本当に、人の気持ち（やる気とか心掛けみたいなもの）って、思いもよらないところから降って湧いてくるものですよね。
きっかけはともあれポテンシャルが上がるのは素敵なことですね♪
私も意味なくやる気が湧いてきました（＾＾）
by くるみ (2008-11-09 01:18)
くるみさん、こんにちは。本当にそうです。きっかけというのはどこに転がっているかわからないものです。それに関連した靴に関する記事をもう一つアップしますので、よろしかったらご覧下さい。
「意味なくやる気が湧いてきた」とのこと、読み手に対して、僕の記事が刺激を与えられたなら、それは大変嬉しいことです。お仕事の方は順調そうですね。
by ひぐらし (2008-11-09 13:39)