アンテナを作る [ラヂオ]
さて、この写真は一体何でしょう。(以前、このブログに一度登場したものですが、今回は「応用編」です)
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静電遮蔽(せいでんしゃへい)と呼ばれる物理現象がある。一般に電界は、導体の内部に入っていくことができない。この性質を利用して、限定した領域で電波を遮断することができるのである。静電遮蔽が完全に機能するかどうかは、使用した導体の形状(たとえば金網だったら目の細かさとか)や、電波の強さにも関係があるから、なんでもかんでも一電波を遮断できると断言するわけにはいかないが、あくまでも一般論としてそうなのだ。
静電遮蔽は、有害なノイズから機器を保護するとき、機器を金網で覆ってしまうとか、銅線からノイズが発生するのを抑制するために、アルミホイルで包んでしまうなど、いろいろと応用される。しかし逆に、電波が入って来て欲しいところに入って来ないという現象も引き起こす。例えば、マンションの構造には鉄骨の骨組みがある。そのせいで部屋には、中波のAM放送が入ってこない。他の電波帯は、くわしく調べたことはないが、多分同様のことがおこるだろう。
マンションの室内で中波ラジオの電波を良好に受信しようと思ったら、窓際のぎりぎりにラジオを置くか、またはバルコニーにアンテナを張って、信号を室内に導く必要がある。先日作った6石スーパーだって例外ではない。電波がないところに、どんな高性能なラジオを置いたって鳴ってはくれないのである。
そこでこのたび、静電遮蔽されたマンションの室内でも6石スーパーを聴けるようにアンテナを作ってみた。これは近い将来、ゲルマラジオを鳴らすための布石でもある。
■実験1
バルコニーの横幅一杯に銅線を張ってみた。長さは6mくらい。これを室内に導いて、ラジオの回りに銅線をグルグル巻きにして、内部のバーアンテナと磁気結合させる。このやり方で放送は拾うが、どういうわけか海外の放送(中国語や韓国語)が飛び込んでくる。しかも、ぴ~~~ とか、きゅい~~~~~ とかノイズが非常に多い。
■実験2
上記で横に張った銅線を、垂直に立ててみた。長さは2.5mくらい。結果は実験1と、ほぼ同じ。
■実験3
ループアンテナ。1辺1mの正方形の枠に、エナメル線を16回巻き付けたコイルをアンテナに使う。このループアンテナは6年くらい前に手作りしたもの。(実はその時もゲルマラジオにチャレンジして失敗し、6年間も納戸で眠っていた)
結果的に、このアンテナが一番うまく行った。関東の中波放送を非常によく拾ってくれる。
そんなわけで、実験1と実験2のストレートアンテナは、これ以上追求するのはやめて、以後、ループアンテナで行くことにした。下の写真がそのループアンテナ。
マンションのベランダには、隣戸との間に仕切り板がある。この仕切りは、非常時に破って移動できるようになっている。つまり、ここに物を置いてはいけないルールになっているのだ。だから、いずれは高い位置に移動しないといけない。ちなみにこの仕切り板は、一部にアルミが使われているが、アルミの比透磁率は、真空とほぼ同じ1なので、無視していいようだ。
さて、信号線をを同軸ケーブルで室内に導いて、ラジオの中のバーアンテナと磁気結合させる。丸いものを捜したら、以前買ったウサギの蚊遣り器を見つけたので、これにコイルを巻いて、中にラジオを入れてみた。
<4>
室内でウンともスンとも言わないラジオが、この蚊遣り器の中にいれると、まるで切れていたスイッチをオンにしたかのように、面白いくらいデカイ音で聞こえるようになった。大満足の結果だった。しかもノイズはほとんど拾わず、音質は良好である。
なお、よく聞こえる位置は他にもある。だいたい下の写真のような3つの位置で音は最大になる。
ゲルマラジオでは、感度が低くてわからなかったが、6石スーパーのような感度の高いラジオを使うことによって、バルコニーには確かに電波があることを確認でき、しかも、それを自分の作った仕掛けで、電波の入り込めないマンションの室内に引っ張り込むことに成功した。「風をとらえた」ようで快感である。
なお、ゲルマラジオを使って、上記の3種類のアンテナを試したが、やっぱり鳴ってくれなかった。次回は、引っ張り込んだ電波(高周波)を増幅してみる。
「高周波増幅をやってしまったら、もはやゲルマラジオではない、そんなの邪道だ」という考え方もあるだろう。僕も一瞬そう思った。でも難しいところに一足飛びで行こうとするよりも、小さな目標をひとつひとつクリアした方がいいと思う。今は「何がどのくらい足りないのか」を調べて明らかにするのが先決だろう。(電波云々よりも、そもそもゲルマラジオそのものに問題があるのかも知れないし)
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静電遮蔽(せいでんしゃへい)と呼ばれる物理現象がある。一般に電界は、導体の内部に入っていくことができない。この性質を利用して、限定した領域で電波を遮断することができるのである。静電遮蔽が完全に機能するかどうかは、使用した導体の形状(たとえば金網だったら目の細かさとか)や、電波の強さにも関係があるから、なんでもかんでも一電波を遮断できると断言するわけにはいかないが、あくまでも一般論としてそうなのだ。
静電遮蔽は、有害なノイズから機器を保護するとき、機器を金網で覆ってしまうとか、銅線からノイズが発生するのを抑制するために、アルミホイルで包んでしまうなど、いろいろと応用される。しかし逆に、電波が入って来て欲しいところに入って来ないという現象も引き起こす。例えば、マンションの構造には鉄骨の骨組みがある。そのせいで部屋には、中波のAM放送が入ってこない。他の電波帯は、くわしく調べたことはないが、多分同様のことがおこるだろう。
マンションの室内で中波ラジオの電波を良好に受信しようと思ったら、窓際のぎりぎりにラジオを置くか、またはバルコニーにアンテナを張って、信号を室内に導く必要がある。先日作った6石スーパーだって例外ではない。電波がないところに、どんな高性能なラジオを置いたって鳴ってはくれないのである。
そこでこのたび、静電遮蔽されたマンションの室内でも6石スーパーを聴けるようにアンテナを作ってみた。これは近い将来、ゲルマラジオを鳴らすための布石でもある。
■実験1
バルコニーの横幅一杯に銅線を張ってみた。長さは6mくらい。これを室内に導いて、ラジオの回りに銅線をグルグル巻きにして、内部のバーアンテナと磁気結合させる。このやり方で放送は拾うが、どういうわけか海外の放送(中国語や韓国語)が飛び込んでくる。しかも、ぴ~~~ とか、きゅい~~~~~ とかノイズが非常に多い。
■実験2
上記で横に張った銅線を、垂直に立ててみた。長さは2.5mくらい。結果は実験1と、ほぼ同じ。
■実験3
ループアンテナ。1辺1mの正方形の枠に、エナメル線を16回巻き付けたコイルをアンテナに使う。このループアンテナは6年くらい前に手作りしたもの。(実はその時もゲルマラジオにチャレンジして失敗し、6年間も納戸で眠っていた)
結果的に、このアンテナが一番うまく行った。関東の中波放送を非常によく拾ってくれる。
そんなわけで、実験1と実験2のストレートアンテナは、これ以上追求するのはやめて、以後、ループアンテナで行くことにした。下の写真がそのループアンテナ。
マンションのベランダには、隣戸との間に仕切り板がある。この仕切りは、非常時に破って移動できるようになっている。つまり、ここに物を置いてはいけないルールになっているのだ。だから、いずれは高い位置に移動しないといけない。ちなみにこの仕切り板は、一部にアルミが使われているが、アルミの比透磁率は、真空とほぼ同じ1なので、無視していいようだ。
さて、信号線をを同軸ケーブルで室内に導いて、ラジオの中のバーアンテナと磁気結合させる。丸いものを捜したら、以前買ったウサギの蚊遣り器を見つけたので、これにコイルを巻いて、中にラジオを入れてみた。
<4>
室内でウンともスンとも言わないラジオが、この蚊遣り器の中にいれると、まるで切れていたスイッチをオンにしたかのように、面白いくらいデカイ音で聞こえるようになった。大満足の結果だった。しかもノイズはほとんど拾わず、音質は良好である。
なお、よく聞こえる位置は他にもある。だいたい下の写真のような3つの位置で音は最大になる。
ゲルマラジオでは、感度が低くてわからなかったが、6石スーパーのような感度の高いラジオを使うことによって、バルコニーには確かに電波があることを確認でき、しかも、それを自分の作った仕掛けで、電波の入り込めないマンションの室内に引っ張り込むことに成功した。「風をとらえた」ようで快感である。
なお、ゲルマラジオを使って、上記の3種類のアンテナを試したが、やっぱり鳴ってくれなかった。次回は、引っ張り込んだ電波(高周波)を増幅してみる。
「高周波増幅をやってしまったら、もはやゲルマラジオではない、そんなの邪道だ」という考え方もあるだろう。僕も一瞬そう思った。でも難しいところに一足飛びで行こうとするよりも、小さな目標をひとつひとつクリアした方がいいと思う。今は「何がどのくらい足りないのか」を調べて明らかにするのが先決だろう。(電波云々よりも、そもそもゲルマラジオそのものに問題があるのかも知れないし)
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