HAWKⅢを作る（12）

【シート】

　ひとつ前の記事（11）でサイドカバーのことを書いたときに、僕が30年前（大学生の頃）に作って、挫折したものの写真を見せた。これを今後、幾度となくお見せすることになるので、これに名前を付けることにした。　名付けて「挫折品」。

さて下の写真は、挫折品のシートの部分を拡大したもの、その下は実車の同じ部分を拡大したものである。実車に比べて挫折品の方が、シートが分厚い。かつて実際に乗っていた人間からみて、こういう全体のシルエットに関することはすぐに違和感として感じる。



　分厚いシルエットを実車に近づけるために、少し加工をしなければならない。結果だけ先に書いてしまうと、下の写真で、グレーの方が、キットの部品そのまま、黒と白の方が、作ったもの。昔のキットには、改造用の部品（注1）がついていて、これが、かつて僕の望んだ形（注3）にちょうど良かったので、これを使うことにした。


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（注1）改造用の部品
昔買ったキットの箱には「部品を変えるとCB400Nスペシャルになります」と書いてある。でもホンダがそんな型番のバイクを作っていたわけではない。「～スペシャル」というのは要するに、「改造車」という程度の意味合いらしい。アンコ抜き（注2）されて、低くなったシートと集合排気管、それから大きな音の出そうなホーン、アップハンドルがついている。要するに暴走族仕様である。昔はこういうのが売れたのだろう。

（注2）アンコ抜き
シートの中のスポンジを削ってシートを低くすることをアンコ抜きという。饅頭の中身のアンコを抜くと言った意味と思われる。しかし最近はオートバイそのものがあまり売れないようで、暴走族の爆音もあまり聞かなくなった。アンコ抜きという言葉も、もはや死語のようだ。

（注3）僕の望んだ形
　昔、このバイクに乗っていた頃、足つきが悪くて困った。僕は身長が168㎝で、男性としては平均以下である。しかも遺伝的に足が短い。バイクに跨ったときに、両足のつま先がギリギリ地面に届くくらいだった。原因はシートが（僕の足にとっては）高かったこと。それから、もう一つ、車体の幅（サイドカバーの部分の幅）が結構広くて、跨ったときに足を外側に広げようとするので、その意味でも足着きが悪かった。まあ結局アンコ抜きだけで解決する問題ではなく、やらなかった。

コメント 4

こんにちは今回も楽しく読ませていただきました。アオシマのCB400Nはひぐらしさんが挫折したシートは改良版で初期のモデルは角が四角い箱みたいなとんでもないモデルでした。シートのパターンは400Nのものでしたが、改良版のシートは250N用にマイナーチェンジされた時のものの流用でシートのパターンも400Nではなくて250Nのものでした。あっ！私はこのプラモデルを2回も買ったのを今思い出しました。1回目はモデル化に嬉しさあまって素組みして、あまりの出来の酷さと250Nのパッケージに惹かれて再度購入、エンジンを改造するも、憤りを感じはじめのひぐらしさん状態になりました。だから期待しています。
by haridy (2018-08-27 01:39) 

あんこ抜きですかぁ～
シニアライダーにしかもう通用しない単語ですかね～
過疎の田舎でもお盆シーズンにはいろいろな人が集まってくるので深夜に爆音をと驚かせたバイクが近くのバイパスを繰り返し化していたようですがもしかしたらもういい年に人だったかも？
最近は家の前にバイクを置いていても直結して盗まれることなんてほとんどなくなりましたがどこぞの留置場から逃走した人は盗んだバイクで走り続けているみたいですね(最近あまり記事にならなくなったけど）
by 青い森のヨッチン (2018-08-28 13:54) 

haridyさん、こんにちは。今の設計よりももっと酷い時代があったなんて知りませんでした。（笑）
「憤りを感じ・・・」というところ、お察しします。もう、あんまり悪口言わないようにしようと思っているのですが、見れば見るほど酷いキットですよね。あ、また言ってしまった。（笑）
　なお、このシート、記事にアップして改めて写真を見て、「やっぱりまだまだ厚い」と思い始めてしまいました。これから先、また少し削ると思います。

by ひぐらし (2018-08-28 20:48) 

青い森のヨッチンさん、こんにちは。そもそも「直結して盗む」という言葉に、懐かしい響きがありますよね。
あと、シャコタンってのもあまり聞かなくなりました。そんな車をあまり見ないし。まあ自動車の電動化が進んだら、大きな音が出なくなるので暴走族もいなくなるでしょうね。
by ひぐらし (2018-08-28 20:49)