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夏休み特別企画 東京湾一周徒歩の旅(1) [雑文]

 今年の夏休みは何をしよう、と考えていたとき、ふと思った。「帰省するときに歩いて帰るってのはどうだろう」

 自宅のある神奈川県藤沢市辻堂から、実家のある故郷、千葉県市原市五井まで、一体どのくらい時間がかかるのか。東海道線の駅のひと区間を歩いた経験はある。例えば、茅ヶ崎から辻堂まで、辻堂から藤沢まで、どちらも歩くと1時間である。ならば、東海道線のひと区間は徒歩で1時間と考えてみると、辻堂を出発して、藤沢、大船、戸塚、横浜、川崎、品川、新橋、東京。8駅である。だったら、東京まで8時間で歩けるのではないだろうか。(あとで、この考えは甘いことがわかるのだが、このときはそう思った)

 ゴールデンウイークに丹沢に登ったときに、2日目には、丹沢山から西丹沢自然教室まで歩いた。このときは、11時間歩き続けたが、体力的に問題なかった。なんだか出来そうな気がしてきたので、大まかに行程を考えてみた。初日は、余裕をみて品川まで。二日目は千葉まで。3日目は、五井まで。このくらいだったらなんとか行けるんじゃなかろうか。

 「ビジネスホテルを品川と千葉で予約しよう」と考えていた矢先、姉から電話が来た。「ひぐちゃん、今度の夏休みはどうするの?」というので、「最初の3日間で、東京湾をぐるっと回って歩いて帰る。その後は、どっかにキャンプにでも行きたいね」と言った。すると姉は、いかにも嬉しそうな口調で、「そうだよね~~~。じゃあ考えておくから♪」と言って電話を切った。

 姉は、僕が山登りを始める随分前からすでに山登りのクラブに入って活動しているアウトドア大好き人間である。最近僕が山登りを始めたのを喜ばしく思っている。キャンプには以前は子供達を連れていくのが普通だったらしいが、最近は成長して、さほど親のすることについて来なくなってしまった。だから僕がキャンプをやりたいと言うのが嬉しいようだ。

 さて、姉がふたたび電話をかけてきた。僕はキャンプは、千葉の養老渓谷あたりの近場を考えていたのだが、「真夏にあそこに言っても暑いだけだから」と言って、なんと福島の方に行こうという。ついでに磐梯山に登ろうと言う。そりゃ大げさだ、車に乗ってそんなに遠くに行くなんて考えてなかった。しかも東京湾の旅を中止して、こっちにしようよ、とまで言い出した。予想外の展開だ。僕が渋っていると、じゃあ、もう少し考えると言って電話を切った。ホテルの予約をしなければならないのに、ちょっと困ったことになった。東横インのネット予約の状況をみると、前日に空いていた部屋が一部屋埋まっている。ヤバイ。このままでは全部埋まってしまう。焦ってしまった。

 翌日、留守電に姉からの声。「ひぐちゃん、考えてみたけど、やっぱりキャンプのことはあんたが帰って来てから考えよう。予定通り、東京湾一周してきなよ」 一転して、まるで人生に絶望したような声である。一体何があったのか良くはわからないが、おおかた、考えるのが面倒になったのだろう。ともかく、キャンプ計画は白紙に戻り、予定通り、東京湾一周徒歩の旅の準備に着手した。なにはともあれ、ホテルを押さえないといけない。最初に考えたとおり、初日の9日に品川の高輪、10日に千葉みなとを予約した。

 次に本屋さんで首都圏のロードマップを購入。そこから、製図用のデバイダで道のりを辿って距離を割り出したところ、辻堂から品川までの距離は46キロ。時間にすると11時間。予想外に長い。しかも2日目は12時間。もっと長くなってしまった。こりゃあ、ちょっと厳しそうだ。行程をもっと詳細に検討してから、ホテルを予約すればよかった。順番が逆だ。登山地図と違って、ロードマップには、当然ながらコースタイムは書いていない。だから時間を予想するのに、ひと手間かかる。「マズい!」、と頭を抱えても、後の祭り。・・・でも、まあ山と違って逃げ込むところはいくらでもある。いざとなったら電車に乗ればいいのだから気楽なものだ。イチかバチかやってみよう。

 装備は山と違ってシンプルそのもの。新盆の法事(昨年おじが二人亡くなった)があるので、必要な衣類や靴は宅急便で送った。パソコンはリュックの中に入れた。リュックの総重量は4.5kg。先日富士山に行ったときは8kgだったので、これに比べれば楽なものだ。(と、このときは思っていた)
(つづく)
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