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八ヶ岳から北アルプスを望む [登山]

 シルバーウイークの前半、9月20日(日)、いつもの山仲間と山登りに行った。場所は、北八ヶ岳の北横岳というところ。リーダーは「体力的には大山(丹沢)くらいだろう」と言っていたが、確かにその通りだった。

 ふもとにはロープウエイがあるだけに、登山者ではない一般の観光客もたくさんいる。その一団に混ざってロープウエイに乗った。「登山者なら登山者らしく歩いて登れ」と言われそうだ。しかし、今回はタイムスケジュールが厳しかったので、やむなくそうしたのだった。

 登りに要した時間はごくわずかで、すぐに北横岳の山頂に着いた。よく晴れていたので、北アルプスがよく見えた。リーダーは山博士みたいな人で、山の名前を全部知っている。一通り教えてもらった中でも、ひときわ目を引いたのが、槍ヶ岳と穂高岳。槍ヶ岳と言えば、新田次郎の「孤高の人」、穂高岳と言えば、井上靖の「氷壁」の舞台になった山だ。見ただけでときめいちゃうね。(天気に恵まれて良かった。雨が降ったら「お前がいるからだ」と言われるところだった)
槍・穂高.JPG

 家に帰って、高校生が地理で使う地図帳を広げてみた。昔は社会科は苦手だった。地図帳を好き好んで広げるなんて考えられなかった。中学生の頃、これが○○山脈、これが○○川とか、機械的に暗記させられたが、自分と無関係の場所に興味が持てるわけがない。飛騨山脈を北アルプス、木曽山脈を中央アルプス、赤石山脈を南アルプスと呼ぶということも、最近になって知ったことだ。 旅をするようになると地図を見る機会が自然に増える。
日本アルプス.jpg

 地図を見るとさらに興味深いのは、県境と山脈の稜線が一致している例が多いこと。例えば、静岡県の形で、北側にロケットみたいに飛び出た部分がある。以前はなんだこりゃ、と何となく変に感じてはいたものの、「まあそういうものなんだろう」と思っていた。けれども今回初めて気づいた。なんとこれは赤石山脈が二股に分かれた部分なのだった。要するに、この飛び出たエリアは静岡側からはアクセスしやすい谷(川)の部分で、外の県からは、山に阻まれて容易に入って来られないところなのだ。だからこんな県境を引いたのだろう。

 どこかに出かけてみると、必ず何かの収穫があるものだ。今回は日本アルプスを、「自分と関係のあるもの」として再意識することができた。「犬も歩けば棒に当たる」 二通りの意味があるけど、良い方の意味で座右の銘にしよう。


【蛇足】
 高速道路が1000円になったおかげで、ずいぶん渋滞するんじゃないかという心配があったが、往き帰りともに、それほどではなくてホッとした。しかし、その代わりに、今までに見たこともないような光景を見た。若い連中がスクーター3台連ねて、ぶん、ぶん、ぶぶぶん、ぶぶぶぶんぶぶん、ぶん、ぶん、ぶぶぶん、ぶぶぶぶんぶぶん、とアクセルをふかしながら遊んでいる。1000円になっただけで、こうなるのに、こともあろうにタダにしようと考えているエラい人がいるらしい。
 高速道路には高速道路の価値があるから、それだけの料金を払っているのに、タダにしてしまったら、普通の道と同じになってしまうではないか。取り締まるお巡りさんの苦労が目に浮かぶ。あ~あ。考え直した方がいいと思うけどなあ。
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ぶたりんご

 私が初めての登山で金峰山(山梨・長野県境)に登った時、槍ヶ岳や穂高まで見渡せることに本当に驚いた。この間は白馬岳から富士山や尾瀬の燧岳まで望むことができた。普段生活している標高(平地)でこれだけの距離を見渡せるなんて想像したことがないから、この距離が眺められることは新鮮な驚きであり、その神々しさと言ったら、心洗われる心地だよね。
 ただし、晴天でなければダメだ。雨男のひぐちゃんは何度めかの山行でやっとこの美しい眺めを経験できたわけだ。よかったね。
by ぶたりんご (2009-09-29 23:28) 

ひぐらし

ぶたりんごさん、こんにちは。春から夏にかけては、雨が多く、しかも雨が降っても計画を変更しないから、必然的に雨男になっておりました。計画を変更しない理由は、山に登る理由が「眺望」ではなく「技術的な興味」だったから。最初のGWの丹沢は、「せっかく買った雨具を使ってみたい」という理由で決行したのでした。
 それ以来、山頂からの眺望は、「神様のご褒美」だと考えておりますが、今回は、「感動するにも、それなりの知識が必要だ」と思いました。
 山のことを何も知らない、または興味もない子供時代に、北アルプスを見せられて、果たしてどれだけ感動できたか、疑問に思います。何事につけ、のめりこまないと感動できないのですよね。

by ひぐらし (2009-10-03 09:49) 

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