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GWを遊ぶ(4)友人Iと飲む [雑文]

 4月に、自宅の留守電に聞き覚えのない男性の声が録音されていた。「もしも~し。中学校の同級生のSですけど。電話を下さ~い。電話番号はXXX・・・」 Sって誰だ? 中学校で同じクラスにSという名前が3人いた。でも、記憶に残っている誰とも声が違う。間違い電話じゃ無かろうか。でも、電話番号の市外局番が、確かに千葉県市原市のものだ。

 こういうときは、I に電話するに限る。I とは、中学校のときに同じクラスだった女の子である。女の子とは言うものの、僕と同級生だから、年はそれなりなのだが、少なくとも当時は「女の子」だった。彼女とはウマがあうので、他の同級生と付き合いが無くなったあとでも、いまだに半年に一回くらいはメールで連絡を取り合う付き合いが続いている。彼女はずっと千葉の地元に住んでいて、当時の友人とも繋がっているので、何か知っているに違いない。

 電話してみたら、案の定「H.Sがクラス会の幹事をやってるんだよ」と教えてくれた。へ~。あいつだったのか。全然声が違ってた。H.Sに電話してみたら、8月にクラス会をやるから予定を入れておいてくれという。

 中3のときのクラス会は、今まで4年に一回、オリンピックの年にやることが慣例になっていた。しかし、たしかアテネの時に中断して以来、やっていなかった。このまま無くなってしまうかと思っていたが、みんなやっぱり頭の片隅に残ってるんだろうね。こういう場を設けてくれる地元の連中はありがたい。

 さて、I と連絡を取って、「久しぶりにGWに会って一杯やろうか」という話になった。会ったのは5年ぶりくらいだったと思う。彼女とは中学校の頃から親しかったが、恋愛関係になったことはない。何しろ僕が大学生の頃にさっさと結婚してしまった。僕が独身をやっている間に子供を生んで育てて、今では上の子が大学を卒業しようとしている。まあ、これが僕の年代の普通の人生であって、自分が普通でないのは承知している。

 焼肉屋とファミレスをハシゴした。他愛のない話で盛り上がった。実はいい気持ちに酔っ払ってしまったので、何を話したのかほとんど覚えていない。ただ、彼女の言葉で、2つ記憶に残ったことがある。

 1つ目は白髪のこと。「最近あたし、白髪がひどいんだよ」と言って、頭のてっぺんの髪を掻き分けて、染まっていない部分を僕に見せる。そんなことをされたのは初めてだったので、ドギマギしてしまった。しかし胸元を見せられてドギマギするならわかるが、白髪を見せられてドギマギするなんて、僕もどうかしてる。見ると確かに、半分くらい白髪になっている。僕の髪を見て、「それ、染めてないの? 染めてないのにそれだけ黒いなら立派なもんだよ」と褒めてくれる。僕は常々、白髪を染めなきゃと思っていたが、面倒なのでやってなかった。だから染めずに逆に褒めてくれる人がいようとは思ってもみなかった。(笑)

 もう1つ。中学校の頃の数学の話。「あたしは因数分解の意味がいまだにわからないよ」と言う。僕は「中3の最初に因数分解をやるのは、その直後の章に2次方程式があるからだ。2次式を1次式の積に分解できれば解ける」と説明した。でも「2次方程式は何のためにやるのかわからない」と言われたら、そこから先を説明しないといけない。

 中学校の数学は高校の数学の基礎になる。高校の数学は大学以降で自然科学を勉強するためにある。数学は自然現象を記述するための言語のようなものだ。具体的には解析と線形代数を知らないと、自然科学を勉強できない。だから自然科学を勉強しない人にとっては、中学校の数学は、体育と同じで、一種の頭の体操であって、何の役に立つかを考えるようなものではないのだ。

 「いいか、学問てぇのはな、未来を予測するためにあるんだ。現象が時間 t の関数で記述することができるなら、好きな t を代入すれば、未来を予測することができる。しかも自然現象は微分方程式で記述されて、それを解けば関数が求まる。そういうことを大学でたくさん習うんだ・・・」

 ・・・なんて偉そうに滔滔と説明したような気がする。そんな話を酒の席で、普通の若い女の子にしたら、「理屈っぽいオヤジ」と嫌われること必至である。(その程度のことはわきまえている)しかし、嫌われようが好かれようがそんなことを気にせずに話すことができる、唯一の女友達が彼女だ。

 久しぶりに会って楽しかった。少々話し足りない気もしたが、そのくらいでやめておくのがちょうどいい。
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