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僕が天文少年だった頃(3) [天文]

【宇宙と星の不思議(小学館)】 ~星座の話~

 小学校6年生の頃、親に買ってもらった子供向けの天文書があった。「宇宙と星のふしぎ」(小学館)である。何度も読み返したのでボロボロになってしまい手元には残っていなかったが、古書で探すことができた。これもなかなかの良書だったと思う。
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 「太陽が無くなったら地球はどうなりますか」、とか、「夏は暑く冬は寒いのはなぜですか」などの素朴な疑問をイラスト付きでひとつひとつ解説するコーナーから始まって、星座の解説、天体観測の仕方など、天文少年が喜びそうな内容をたくさん集めてある。この本の中で特に好きだったのは星座の解説だった。

 そもそも星座というのは、天球をいくつかの領域に区分し、それぞれの領域に名前を付けたものである。現在世界的に通用している星座は88個あるが、もともとは、ギリシャの天文学者プトレマイオスが整理した48の星座からスタートしている。ギリシャだけあって48の星座にはギリシャ神話が関連つけられていて非常に興味深い。この本の中でも神話がわかりやすく紹介されている。その中で最も印象的だったのは勇者ペルセウスの物語だった。

 話の詳細は省略するが、最近話題になった「タイタンの戦い」という3D映画はこの神話をモチーフにしたものであるし、また絵画や彫刻にも、この神話の登場人物を表現したものが昔からたくさんあるのだそうだ。この神話に登場する人物や動物はこの本の中では「秋の星座」という括りの中に入っている。

・ペルセウス・・・ 物語の主役でギリシャの勇者。(■ペルセウス座)
・メドゥーサ・・・ ペルセウスに退治された化け物。髪の毛の1本1本が蛇になっていて顔を見たものは恐ろしさのあまり石になってしまうという。ペルセウスはこれを退治して切り落とした頭部を、武器として袋に入れた。メドゥーサは星座になっていないが、ペルセウス座のアルゴルという星はペルセウスの持ったメドゥーサの首の部分ということになっている。
・カシオペア・・・古代エチオピアの女王。美貌を自慢して海神ポセイドンの怒りにふれ、娘のアンドロメダを海の化け物へ生贄としてささげることになった。(■カシオペア座)
・アンドロメダ・・・カシオペアの娘 (■アンドロメダ座)
・海の化け物・・・アンドロメダを食べようとしたところ、ペルセウスが現れ、もっていたメドゥーサの首を袋から取り出して見せられ石になってしまう。(■くじら座)
・ペガスス・・・ペルセウスの乗る天馬。殺されたメドゥーサの血の中から生まれた。(■ぺガスス座)

 秋は空が澄み、星が見やすくなる季節である。神話を知っていると星座を見るのが一層楽しくなる。この本の秋の星座の部分のページを写真に撮って載せる。
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 ところでアンドロメダ座と言えば、あの有名なアンドロメダ大星雲(M31)である。あの星雲をなんとかして見たかった。場所は本に載っており、しかも空のそのあたりに、モヤッとしたものがなんとなく見える。でも、どうしても天体望遠鏡の視野には入ってくれなかった。このことは、成し遂げられなかった「青春の忘れもの」として僕の心の中にまだ小さく燻っている。

 なぜ見られなかったのか。原因はわかっている。

1)天体の明るさの問題
 M31の明るさは4.8等級。肉眼で見られる限界の等級は6等級までと言われているが、空のよほど暗い場所でそうだということであり、僕の目は4.8等級の明るさが見られるほど良くはなかった。見えないものを「だいたいこの辺りだ」とヤマ勘で望遠鏡を向けるしかなかった。

2)望遠鏡の架台の問題
 すでに書いた通り、僕の望遠鏡の経緯台は安物で微動装置がついていなかった。その状況で目に見えない天体を視野に入れようとしているのだから、この時点でもう絶望的である。

3)天体のサイズの問題
 僕の望遠鏡には、接眼レンズが2つ付属していた。視野の広い方で39倍の倍率が得られ、この状態で満月が視野に一杯になる。月の視直径は30’である。これに対してM31のサイズは160’×35’。つまり視野の広い方の接眼レンズを使っても、望遠鏡の視野に収まらないのである。しかし当時はそのことを知らなかった。視野の問題なら倍率を下げれば解決する。つまりもっと焦点距離の長い接眼レンズを買えばよいことになるが、それがわかっていたとしても買うお金はなかった。

 M31は、一度でいいから、自力で見てみたいと思う。

***
【余談】
 この本のイラストのアンドロメダ姫は、みんな裸である。特にカシオペア座のページのイラストはシースルーで「下」が見えている。あの永井豪の「ハレンチ学園」だって「下」は隠してたぞ。小学校6年生の僕にとっては、鼻血が出そうなイラストだった。(笑)
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