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八ヶ岳 再び(1) [登山]

 最近は、興味がラジオや天文にシフトしていて、登山のことが考えられない。興味を失ったわけではなく、行きたい山はたくさんあるのだが、僕の頭の容量の問題で、同時に処理できるテーマがさほど多くはないということである。そういうわけなので今年の登山は姉に誘われるままである。先日、7月20日~21日で八ヶ岳に行ってきた。

 実は八ヶ岳は、2年前に単独行で行ってきたが、計画を完全にこなせなかった。赤岳鉱泉にキャンプを張り、硫黄岳、横岳、赤岳、中岳、阿弥陀岳と回り、赤岳鉱泉に戻る予定を組んだが、阿弥陀岳に昇る手前で、足に限界が来てしまった。やむなくここで下山し、赤岳鉱泉のキャンプに戻った。しかもその夜、尿管結石の腹痛に襲われ、翌朝、ほうほうのていで下山し、しかも姉に諏訪まで向かえに来てもらったと言う情けない結果に終わってしまった。

 阿弥陀岳が残ってしまったので、今年はリベンジしようと思っていた。姉の方はというと、山岳会に入って活動している割には、今までなぜか八ヶ岳には縁がなかった。相談した結果、コースは僕が2年前に登ったコースに非常に近いものになった。ただしキャンプを張るのはやめ、山小屋に泊まることにした。具体的には下記の通り。

1日目 車で美濃戸まで⇒赤岳鉱泉⇒硫黄岳⇒横岳⇒赤岳展望荘
2日目 赤岳⇒中岳⇒阿弥陀岳⇒行者小屋⇒美濃戸

 前日、千葉の姉の家に泊まり、当日の早朝4時に出発。首都高速を通って中央高速経由で諏訪まで。美濃戸の「やまのこ村」に着いたのは、7時。たったの3時間で着いてしまった。速い。さて登山開始。

 美濃戸から赤岳鉱泉に至るまでの道は、険しくはないけれど、2年前のあの日、腹痛をこらえながら下山したことを思い出し、よく2時間も歩いたものだと感慨を新たにした。ここは沢歩きで、本来なら川のせせらぎが耳に心地良いはずなのだが、腹痛のためにただの騒音にしか聞こえなかったのを覚えている。自然の中に一人だけ取り残される恐怖も感じた。登山というレジャーはお手軽ではあるが、他と違って、トラブルが起こったときに途中でやめるということができない。そういう意味では過酷である。

 赤岳鉱泉を通過して硫黄岳に向かう。下の写真は、途中の「赤岩の頭」から見た北アルプス。僕は目が悪くて、肉眼では見えないが、ズームで撮るとちゃんと槍が写っている。
01.jpg

 硫黄岳の山頂から、赤岳、中岳、阿弥陀岳の並びがよく見える。
02.jpg

 この写真で、阿弥陀岳の斜面に赤いマークを付けてみた。だいたい45°くらいの斜度がある。このブログの読者には山登りをやらない人もいるので、その人たち向けの説明になるが、45°の傾斜とはどんな傾斜かを説明しておこうと思う。以前書いたような気もするが念のため。

 誰でも日常生活で、普通に階段の上り下りをしているが、現代の建築物で通常の階段は、僕が見たところ、だいたい30°~35°くらいの角度に作られているようだ。ごく稀に45°くらいの階段があるが、これはおそらく安全基準が定まっていない古い時代に作られたものだと思う。古いお寺や神社の階段にはこういうのが結構ある。45°の階段の上り下りは、手すりがなければ怖くてできない。上から下を見下ろせば、断崖絶壁みたいで、転げ落ちそうな気がするし、実際に転げ落ちたらタダでは済まないだろう。

 階段と違って、山の斜面が平均45°に見えるということは45°よりも傾斜の緩やかな場所もあるし、急な所もあるわけで、そうして平均45°に見える。逆に言えば遠くからみて45°に見えるなら、それだけで、そこは相当に険しい場所だということがわかる。つまり「限界まで疲れているときに、間近でこの傾斜を見たら、とても登れる気がしない」ということが言いたかった。2年前に断念したのはまさにそれが理由だった。

(つづく)
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