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ロボット大回転(3) [ロボット大回転]

(つづき)
 「ロボット大回転」のシリーズは、その後、「スーパーロボット大回転」と名前を変えてリニューアルした。と言ってもメカはそのままで、カラーリングを変えただけである。これをデパートのおもちゃ売り場で見かけたのは、おぼろげな記憶だが僕が中学生くらいの頃だったように思う。

まずはゴールド。これは損傷がひどい。肩のカバーが無くなっていて、足先も割れている。
SG.jpg

つぎにシルバー。
SS.jpg

つぎがレッド。
SR.jpg

 こうして見ると「スーパー~」の方は、旧2号と旧3号をベースにしたものがあるが、旧1号ベースのものは見たことがない。たぶん無かったのだろう。ここでも、人気の差が浮き彫りになっている。その後、さらに第3世代があったようで(当時は気づかなかったがヤフオクで知った)、こちらは旧3号の形のみらしい。それから亜流があって、同じメカで、ロボットではなく怪獣のタイプもあったらしいが、これはどう考えても邪道であろう。

 僕の知る限り2回もリニューアルしたということは、結構寿命の長いおもちゃだったということなのだろう。それも道理で、実際、ボディを開けてみると、当時(1960年代の終わり頃)のトミーの開発陣が苦心して問題解決にあたったことが想像できるような、実に巧妙な仕掛けが作り込まれている。

 それで、何はともあれ動いているところをお目にかけたい。コレクションの中でも元気のよいものを動かして、動画を撮ってみた。







 僕の目から見て、特許に値すると思えるのは、次の2点である。

1)足の動き
 起き上がる直前、体がうつ伏せになったとき、足が通常歩行と同じように交互に動いていたら姿勢が左右にぶれて安定しない。そこで立ち上がり動作のときには、交互の動きが無くなり、両足揃った動きになる。開けてみると非常に簡単な機構であることがわかるのだが、逆に言えば、簡単な機構で実現するところがすごいのである。

2)腕の長さが変わる仕掛け
 腕の長さが回転中に変わる。腕が床を向いたときは縮み、それ以外のときは伸びている。これはおそらく、少なくとも直立する直前に床を大きく押さないと起き上がりきれずにまた倒れてしまう(立てる確率が低い)のだと思う。これを解決するため、肩のところにカムをつくり、腕は通常は長く、床を向いたときだけ短くなるようになっている。

***
 最近のロボットのおもちゃは、センサやアクチュエータが進歩していて、しかもそれをマイコンで制御する。それはそれですばらしいことで、科学技術の進歩を素直に喜びたいと思う。しかし45年前の、マイコンなんか無かった時代に、歯車、カム、リンクといった機構(メカニズム)だけでこれだけ斬新なものを作り、子供のおもちゃとしてコストを切り詰め、量産までもっていったトミーの技術力は称賛に値する。

 そういうわけで、このおもちゃには思い入れが強く、ついつい、たくさんコレクションしてしまった。ただ何しろ古いおもちゃだし、コンセプトからして、基本的に転ばせて遊ぶものなので、相当乱暴に扱われたに違いなく、故障しているものが半数以上ある。

 仕事が機械設計だから、これを修理するだけの技術はもっている。機構部品しかないので、損傷した部品があったら図面を引いて加工屋さんに依頼して新しく作ってしまえばよいのである。しかし、そこに時間とお金をかけるかどうかは状況による。少なくとも今はこのままにして、修理は先の楽しみにとっておこうと思っている。

(おわり)


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IA子

ロボットの動きが愛らしいね。
なんだかずっと見ていたくなる動きです。
by IA子 (2016-12-26 12:43) 

ひぐらし

IA子さん。こんにちは。このロボットの動き、確かに映像で見ると可愛いですよね。でも子供の頃、これを可愛いと思ったことはなくて、どっちかと言うと「カッコいい」と思っていました。(笑)
昔からロボットは、ギクシャクした動きが主流で、つまりロボットというのはそういうものだというイメージが、今でも根強くあります。ロボットダンスなんて良い例ですよね。アシモだって、ものまねのネタにされるくらいなので。逆に、ロボットが人間と同じ自然な動きをするようになったらって想像すると、怖くなります。

by ひぐらし (2016-12-30 19:18) 

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