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ロボット大回転レストア(5) [ロボット大回転]

【腕の取り外し】

 このロボットは転んだときに腕の力で起き上がるようになっている。それだけに腕の付け根の回転軸は最も力のかかる部分で、かなり頑丈に作られている。中古品を買っても、この部分が壊れているモノは少ない。だからここが壊れているモノに出会ったら、それは本当に重傷だと言ってよい。今回のモノは右腕が外れていた。

 実は今回のものには前のオーナーが修理した痕跡があって、右腕は外れた部分を接着してあった。だからまず手始めに、修理の痕跡を無くし、ノーマルに壊れた状態に戻すことからスタートした。(ただしそこまでのプロセスはここでは省略)

 まず肩のカバーを外す。このカバーはフックで引っかかる構造になっている。写真に示す部分を強く押すと、フックが外れて、カバーを外すことができる。
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 肩カバーを外すと、メインシャフトの固定構造が見える。銅の棒の両端に、アルミのリング(以下、圧入リングと呼ぶ)を圧入してある。(いかにも頑丈そうで、普通はこれ以上分解しようという気にはならない)
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 圧入リングをルーターで切断するとカシメの力が緩くなる。
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 緩くなったところで、これを抜き取ると、固定構造が見えるようになる。銅のメインシャフトの一部を叩いて傷をつけ、軸方向に凹凸を作り、ここに圧入リングを圧入して角度を固定するようになっている。この固定は摩擦力によるものだから、一旦分解したら、再び組んでも初期の摩擦力(保持力)は期待できない。「分解したら二度と組めない部分」ということになる。(組むための対策は後の記事で説明する予定)
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 ここには過大トルク保護機構がついている。円盤に4つの穴が開いていて、それに重なる風車形の板バネの同じ位置に突起が作ってある。通常運転では、突起が穴にはまり込んで回転を伝える。過大なトルクがかかったときは、板バネが跳ね上がって突起が穴から外れ、トルクがギヤボックスに伝わらないようになっている。こういうものをつけておかないと、すぐに壊れる玩具になってしまう。当時のトミーの開発陣が苦心した部分だと思う。
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