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万能工作機の話(2)電源改良 [雑文]

 emco の万能工作機「unimat 1」の話の続き。製品のコンセプトは非常に気に入っているのだが、実用性に乏しいので改良したいという話を、少し前の記事に書いた。

(参考URL)
https://shonankit.blog.ss-blog.jp/2019-09-28

 それでまず「主軸の回転数が速すぎる」という問題点があって、一番にこれを何とかしないと怖くて使えない。最初に思いついたのはギアで減速したモーターに付け替えることだったが、それを検討している最中、自宅でちょっとした掘り出し物があった。

 市販のACアダプターで電圧の切り替えスイッチの付いた物である。自分がいつか買ったものであることだけは覚えている。しかし、いつ何のために買ったものなのか、思い出せない。でもまあ、とにかく使えそうではないか。(だんだんボケが進んでいるのだろうかと、自分で心配になるが、それはそれとして)
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 もともと、この工作機についていたのがDC12Vモーターである。これに対して発掘したACアダプターは3V、4.5V、6V、7.5V、9V、12Vという6段階に電圧を切り替えられる優れもの。つないで回してみたら、電圧に応じてそれなりに減速しているようだ。

 そんなわけで、安全スイッチもつけて、操作性を良くしたユーザーインターフェースを作ってみた。回路は目新しいものではない。
02.JPG

 なお、配線はこんな感じ。
03.JPG

 動作中の動画は下記を参照。


 電源を入れると、まず電源ランプの緑のLEDが点灯する。このマークは、まだモーターに通電していないことも併せて表示している。起動スイッチを押すと、赤のLEDが点灯して、モーターに通電中であることを表示する。停止ボタンを押すと、モーターが停止して、緑のLEDが点灯する。

 このLEDのレイアウトが、取ってつけたような変な場所にあることにお気づきだと思う。最初に作ったとき、このLED表示は無かったのである。しかし、電源が入っているのか入っていないのか、つまり、「今どういう状態なのか」が明確にわからないと、操作ミスにつながる。

 実は、配線が終わって最初に試運転をしたときに、モーターのケーブルの接続を、通電状態でやらかしてしまい、モーターがいきなり最高回転数で回り出して冷や汗をかいた。モーターのケーブルの接続は一度してしまえば、あとは、ほとんどいじることはないはずだが、メンテのときに、これを外せばまた同じことが起こるかも知れない。

 そんなわけでLEDを後付けしたが、結果的にこの位置で良かった。何故かと言うと、高輝度形のLEDを使ったせいで、まともに見つめると光がちょっと眩しい。その光の近くに起動ボタンがあるので、眩しさのせいで、起動ボタンにちょっとした押しにくさが生まれている。押すときにボタンの位置を注視するためにひと呼吸おき、それから押す、といった動作になる。

 安全を考えれば起動ボタンは押しにくい方が良い。図らずも眩しいLEDがこの操作性に役立っている。なお停止ボタンはこの眩しさの影響を受けない。無造作にポンと叩けばモーターは簡単に停止する。

(まだまだ改良は続く)

***
おまけの写真。前の記事のダミー電極に半田付け用の穴を開けているところ。
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フクロウ時計の改造(3) [ラヂオ]

 電源ユニットとダミー電池を接続したのが下の写真。
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 これを時計に取り付けたのが下の写真。
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 運転は成功し、フクロウ君は、元の位置で、元気に尻尾を振っている。停電がなければ、時計も尻尾も止まることはない。
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 もっとも最近は、昔と違って自然災害の規模が大きくなってしまって、停電がよく起こる。2011年の東日本大震災のときは計画停電。今年2019年も台風の災害で停電が起こった。

 ただ、停電や電池切れで時計が止まるのは、まあ許せる。時計は他もあるし、時刻を知る手段は他にもあるのだから。でも尻尾の動きが止まってしまったら、この時計の存在意義がなくなるのだ。下らないこだわりかも知れないが、それだけ解決したいがために、今回の改造を行った。長年の懸案が一つ解決してほっとしている。

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フクロウ時計の改造(2) [ラヂオ]

 ROHM(ローム)の電圧レギュレータというのは、形番でいうと「BA15DD0T」というもので、いわゆる三端子レギュレータである。

 なじみのない人のために念のために書いてみると、三端子レギュレータというのは、一定の直流電圧を作り出す機能をもったIC(集積回路)の一種である。電気回路工作をすると、何かとこれを使うのだが、今までこんな1.5Vなどという低い電圧のものを見たことがなかった。使い方は、78系の三端子レギュレータと同じピンアサインになっている。パッケージ正面に向かって左が入力、真ん中がコモン、右側が出力。

 さて、最初、回路を簡単にしようと思って、発振防止用のコンデンサをつけずに電圧を測ってみたのだが、正しい電圧がでなかった。つまりこれは異常発振が起きているのだろう。詳細な調査は省略。
01【5】【参考】失敗、出力電圧.JPG

 それで、僕なりに真面目に組んだ回路が下の写真。あまり部品点数が多くないので、平ラグ板に組んでみた。電圧は正常に1.5V出た。
02【1】減圧部.JPG
03【3】出力電圧.JPG

 次にダミー電池を作る。ネットで調べたら、乾電池アダプターというのが、すごく安く売っていた。単3電池の形のケースの中に単4電池をいれると、単3電池として使えるというもの。(注1)これの電極のところだけを取り出した。(注2)
04.JPG
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 ダミー電池はプラ板を切り出して作る。写真の通り。
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(注1)一体何のためにこういうものが売られているのか、最初は意味がよくわからなかった。でも手持ちの予備の乾電池の種類を減らしたい人には便利なのかも知れない。

(注2)このアダプターがそのままダミー電池に使えると思ったが、だめだった。電極がプラスチックの容器にはめ込んであるだけなので、電池を入れずに電池ホルダーに装着すると、ホルダーのバネ性で、電極が中に押し込まれてしまい、突っ張ってくれないのだ。つまり単4電池を入れないと使えないということ。じゃあ単4電池の形のダミーを入れればいいではないか、とも思ったが、それもちょうど良い物がみつからない。探している間にプラ板で作ってしまった方が手っ取り早い。だから電極だけ流用することにした。


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フクロウ時計の改造(1) [ラヂオ]

 僕の家のリビングにお気に入りの掛時計がある。フクロウの形で、昔の振り子時計のように、尻尾の形の振り子を振る。もう20年以上も前のことになるが、関西の方に旅行に行ったときに、ふと立ち寄ったディスカウントショップで見つけて一目惚れして買ったものである。

01.jpg

 裏側に電池を入れるホルダーがあって、単3乾電池が2本入っている。(注1)上の電池は時計の針を回すためのもの。下の電池は、尻尾を振るための電池である。普通は振り子というのは、等時性を利用して時間を作るためにあるが、この時計はクオーツ時計であり、振り子は飾りである。

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 振り子と時計が完全に独立していて、しかも振り子の方が電池の消耗が大きい。同時に電池を交換すると、必ず振り子の方が先に止まり、なおかつ時計は動いているという不自然な状況が現れる。別段、それを気にしなければいいのだが、そもそも尻尾がふりふり動いているのが可愛いから買ったのであり、この状況にはずっと不満があった。

 電池駆動でなく、AC駆動にすればこの問題は解決する。この改造をいつかやりたいと思っていたのだが、延び延びになっていた。その理由の一つに「DC1.5Vの電圧レギュレータがみつからない」、というのがあった。しかし最近、ROHMの製品で、まさにこの、1.5Vのレギュレータを見つけてしまった。
(つづく)


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(注1)写真に見えている電池の他に、右側に単3乾電池のホルダーが2本分ある。この時計には毎正時ごとにメロディが鳴る機能があって、この電池ホルダーはメロディ用の電源である。最初のうちはこの機能を使っていたのだが、今は使っていない。なぜかと言うと、耳が慣れてしまうとメロディが聞こえなくなるのである。ちゃんと鳴っているのに、鳴っていないのと同じになってしまって、意味がないので、こっちの電池は外している。

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