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ロボット大回転(4) [ロボット大回転]

(おまけ)
 ロボット大回転のシリーズは前の記事の(3)で終わる予定だったが、ちょっと予定を変えて延長する。(3)に、このシリーズはリニューアルが2回あり、第3世代まであるようだと書いたが、これを書いたとき、まさにその第3世代のもののオークションのまっ最中だった。この度、めでたく落札できたので、ここに載せることにする。

 下の写真がそれ。なんだかネイビーブルーのボディの色が精悍で、シリーズ全体の中で一番カッコよく見える。(壊れていたので安く落札でき、しかもすぐに修理できて元気に動いた。いい買い物をした)
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 比較的綺麗な箱がついていた(注1)。箱には、「スーパーロボット大回転」の外に、「大回転戦士」「バトルファイター」というサブタイトルがついている。
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 この第3世代は、形を見れば初代の3号(=第2世代のシルバー)をリニューアルしたものであることは明らかである。ただ第3世代は、商品企画として、前の世代と少し違うものを感じる。

 初代はいかにも子供向けのおもちゃだし、第2世代はその延長に過ぎないが、第3世代はおもちゃにストーリー性を持たせている。ロボットの本体に、「RESCUE」(レスキュー)とか、機体番号を示しているらしい「5」などという数字がマーキングされていて、しかも箱には、このロボットが現場で実際に活動をしているらしいイラストが描かれているのである。

 僕の推測では、第3世代は、1977年~1997年の20年間のどこかで発売されたのではないかと思う。(注2)この20年間の間に世の中で何が起こっていたかを思い出してみると、大きな流行として「機動戦士ガンダム」というアニメがあった。これが流行ったのが1979年で、このアニメに登場するモビルスーツと呼ばれるロボットのプラモデルが大流行した。子供たちはガンダムのストーリーの中に身を置いてプラモ作りに熱中した。いまでもこの流行は続いているようだ。(僕自身はこの流行に乗らなかったが)

 そもそもこういう “ストーリーの中に身を置いて” 熱中する傾向は、戦車や戦闘機、軍艦など、兵器のスケールモデルで従来からあったものである。ドイツVSイギリスの北アフリカ戦線の戦車とか。日本の本土を空襲するB29とそれを迎撃する紫電改の死闘とか。ガンダムはそれが架空の戦争になっただけで、やっていることは同じである。

 1982年、トミーは「ゾイド」という動物ロボットのおもちゃ(組立キット)のシリーズを発売している。この動物たちには架空の宇宙戦争に使われるメカであるというストーリーが設定されていた。僕自身、大学生時代、一応年齢を気にしながら、これを組み立てて遊んだ記憶がある。この頃から、おもちゃは従来のような単なるおもちゃではなくなっていた。玩具メーカーがそこにストーリーを作り、ドラマの中に子供(+愛好家)が入り込んで楽しめるような「演出」が加わるようになった時代だったと思う。

 だからスーパーロボット大回転の第3世代のリニューアルも、この時代の流行を取り入れ、何らかのストーリー性を感じるような味付けになったのだろう。ただ、残念ながら具体的にどのようなストーリーが設定されていたのか、あるいは今日感じるような漠然としたものだったのか、その辺はよくわからない。

 ・・・と、まあそんなわけで、「ロボット大回転」シリーズについて、熱い思いを語ってしまったが、キリがないのでこの辺で終わる。お付き合いいただき、ありがとうございました。



***



(注1)レトロおもちゃの箱の存在意義
 おもちゃの箱の有無というのは、こういうレトロおもちゃの価値を左右する重要な要素になっている。なぜか。まず玩具店に陳列されている状態が、すなわちそのおもちゃのパーフェクトな状態である。ユーザーが店でそれを購入し、家に持ち帰って開梱する。そこから箱が失われ、取扱説明書が失われ、製品が残り、それが次第に老朽化して壊れていく。
 製品が作られ、売られ、消費される「ライフ」を総合して考えたとき、レトロおもちゃ市場の価値観としては、最初に店に陳列された状態を完全な状態として認識する。僕もこの認識は自然だと思う。箱が失われたことは老朽化プロセスのひとつである。だからこそ箱が生きていることの意義は大きいのである。

(注2)時代推定
 箱に書いてある、製造元の所在地表示の郵便番号には〒124という、3桁の数字が書かれている。WIKIで調べたところ、3桁~5桁の郵便番号が制定されたのが、1968年、これが7桁になったのが1998年だった。初代が1969年、第2世代が(僕の想像で)1976年頃だったとして、第3世代は、1977年~1997年の20年間のどこかで発売されたのではないかと考えた。まあ実際は80年代くらいかなあ。

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ロボット大回転(3) [ロボット大回転]

(つづき)
 「ロボット大回転」のシリーズは、その後、「スーパーロボット大回転」と名前を変えてリニューアルした。と言ってもメカはそのままで、カラーリングを変えただけである。これをデパートのおもちゃ売り場で見かけたのは、おぼろげな記憶だが僕が中学生くらいの頃だったように思う。

まずはゴールド。これは損傷がひどい。肩のカバーが無くなっていて、足先も割れている。
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つぎにシルバー。
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つぎがレッド。
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 こうして見ると「スーパー~」の方は、旧2号と旧3号をベースにしたものがあるが、旧1号ベースのものは見たことがない。たぶん無かったのだろう。ここでも、人気の差が浮き彫りになっている。その後、さらに第3世代があったようで(当時は気づかなかったがヤフオクで知った)、こちらは旧3号の形のみらしい。それから亜流があって、同じメカで、ロボットではなく怪獣のタイプもあったらしいが、これはどう考えても邪道であろう。

 僕の知る限り2回もリニューアルしたということは、結構寿命の長いおもちゃだったということなのだろう。それも道理で、実際、ボディを開けてみると、当時(1960年代の終わり頃)のトミーの開発陣が苦心して問題解決にあたったことが想像できるような、実に巧妙な仕掛けが作り込まれている。

 それで、何はともあれ動いているところをお目にかけたい。コレクションの中でも元気のよいものを動かして、動画を撮ってみた。







 僕の目から見て、特許に値すると思えるのは、次の2点である。

1)足の動き
 起き上がる直前、体がうつ伏せになったとき、足が通常歩行と同じように交互に動いていたら姿勢が左右にぶれて安定しない。そこで立ち上がり動作のときには、交互の動きが無くなり、両足揃った動きになる。開けてみると非常に簡単な機構であることがわかるのだが、逆に言えば、簡単な機構で実現するところがすごいのである。

2)腕の長さが変わる仕掛け
 腕の長さが回転中に変わる。腕が床を向いたときは縮み、それ以外のときは伸びている。これはおそらく、少なくとも直立する直前に床を大きく押さないと起き上がりきれずにまた倒れてしまう(立てる確率が低い)のだと思う。これを解決するため、肩のところにカムをつくり、腕は通常は長く、床を向いたときだけ短くなるようになっている。

***
 最近のロボットのおもちゃは、センサやアクチュエータが進歩していて、しかもそれをマイコンで制御する。それはそれですばらしいことで、科学技術の進歩を素直に喜びたいと思う。しかし45年前の、マイコンなんか無かった時代に、歯車、カム、リンクといった機構(メカニズム)だけでこれだけ斬新なものを作り、子供のおもちゃとしてコストを切り詰め、量産までもっていったトミーの技術力は称賛に値する。

 そういうわけで、このおもちゃには思い入れが強く、ついつい、たくさんコレクションしてしまった。ただ何しろ古いおもちゃだし、コンセプトからして、基本的に転ばせて遊ぶものなので、相当乱暴に扱われたに違いなく、故障しているものが半数以上ある。

 仕事が機械設計だから、これを修理するだけの技術はもっている。機構部品しかないので、損傷した部品があったら図面を引いて加工屋さんに依頼して新しく作ってしまえばよいのである。しかし、そこに時間とお金をかけるかどうかは状況による。少なくとも今はこのままにして、修理は先の楽しみにとっておこうと思っている。

(おわり)


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ロボット大回転(2) [ロボット大回転]

(つづき)
 さて、その後は「1号」を探し求めて、毎日のようにヤフオクの出品を、目を皿のようにしてチェックする日々が始まった。そして先日2016年10月末、ついに「1号」が出品された。来た。勝負だ。パソコンの画面を見て拳を握りしめた。

 スタートは1000円だったが、取り急ぎすぐに10000円で入札した。実際のところ、いくらまで払えるかについては、まだ決心がついていなかった。でもまあギリギリのところは後で考えることにして、取りあえず10000円なら払えると思ったのだった。

 その後ライバルが現れて3000円まで入札したらしいが、そこでその人は撤退した。ヤフオクはうまい仕組みになっていて、スタート1000円のところに僕が10000円入れても、相手がいなければ値段は10000円にはならない。入札者同士が互いに競ったところで値段が決まるようになっている。価格の表示が吊り上がっていることによってライバルがいくらまで入れたかがわかるのである。

 最終日の夕方、新たなライバルが出現し、10500円を入札された。さて・・・。どこまで行こうか。以前、鉄人28号に○万円払ったのである。この「ロボット大回転1号」は鉄人28号より自分にとって価値が上か下かと問われたら、「上だ」と答える。しかし・・・。僕はそんなに金持ちではない。

 終了の1時間ほど前に11000円を入れて、ライバルの反応をみたが、特に反応がなく、終了15分前になった。このまま何事もなく終わって欲しい。無駄な戦いはしたくない。(ここで言う「戦い」とは、つまり、競り合って値段が吊り上がること)「負けられない戦いがここにある」なんてよく言うけど、相手がアラブの大富豪だったら勝てるわけがない。負けるときは負けるのである。このロボットを欲しがるアラブの大富豪が実際にいるかどうかは別として。

 固唾を飲んで経過を観察した。終了10分前。値段が更新されない。ライバルは寝てしまったのか? だったら目を覚ますな。・・・・眠れ眠れ。あと少し、あと少し。・・・・・終わった! ということで苦節10か月、ついに「1号」を手に入れたのである。

 下の写真が落札した1号である。僕がかつて持っていた頃のは、本体のグリーンは同じだが、肩の部分の丸いカバーは黄色だった。カラーバリエーションはかなり豊富だったらしいが、どんな組み合わせがあったのかは今となっては調べようもない。
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 動きの方は、というとかろうじて電源は入りモータの回っている音がするが、歩かない。おそらくこいつもギアが割れている。でも修理しようと思えばいつでもできるので、正常に動くかどうかは大した問題ではない。そんなことよりこれが手に入ったことが嬉しい。

 1号の顔を見ていて思い出した。僕は当時、このロボットに「トム」という名前を付けて遊んでいたのだった。理由は、顔がいかにも「トム」という顔をしていたから。この感性は誰にも理解されまい。(笑)

(づづく)

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ロボット大回転(1) [ロボット大回転]

 今からざっと45年も前のことになる。トミー(注1)から「ロボット大回転」というおもちゃが発売された。電動で歩くロボットで、なんと転んでも自分で起き上がるという斬新なものだった。テレビのコマーシャルを見て欲しくなり、親にねだって買ってもらった。バリエーションとして1号、2号、3号の3種類があったが、僕のは1号。これが一番角ばった、昔ながらのロボットのイメージに近かった。

 当時僕は小学校2年生だった。このおもちゃのことを作文に書いたところ、担任の先生から「いい作文だ」と褒められ、学年集会のときに、2年生全員の前でそれを朗読させられた。「僕のロボットは腕を大きく回しながら歩きます。転んでも起き上がります・・・」とかなんとか。なぜそれが褒められたのか、作文が残っていないので正確なところはわからない。ただ推測するに、転んでから起き上がるまでの様子を、子供にしてはわりと詳細に描写していたのではないかと思う。

 このおもちゃはその後、なんどか壊れたがそのたびに自分で修理した(注2)。しかしあるときモーターに打ち込まれていたプラスチックのギアが割れてしまって回転が伝達できなくなった。小学生にとってはもうお手上げで、あきらめるしかなかった。その後しまい込んであったと思うが、狭い家だったのでどこかのタイミングで捨てたのだと思う。

 1年ほど前、ある古本を探したのをきっかけにヤフーオークション(以下ヤフオク)にハマった。そのとき、この「ロボット大回転」のシリーズが出品されているのを見つけた。値段の相場はだいたい数千円である。久しぶりに出会ったこの機会に、3種類を全てコレクションしてみたくなった。これぞまさしく「大人買い」である。

 探してみると2号と3号は比較的容易に見つかった。しかし1号がなかなか出品されない。中古市場で品数が多いということは、当時2号と3号の人気が高かったということである。逆に1号はあまり人気が無かったということで、これは意外だった。

こちらは2号。↓
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これが3号↓。
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 「ヤフオクで見つからないなら、あそこに行ってみるか」と思って中野ブロードウエイに行ってみた。レトロ玩具の専門店をいくつか回ってみたが、やはり無かった。ちなみにそのときに鉄人28号のブリキのおもちゃが10万円で売られているのを見つけ、その後、ヤフオクで○万円で落札するに至ったのは、すでにこのブログに書いた通りである。
参考URL↓
http://shonankit.blog.so-net.ne.jp/2016-05-10

(つづく)

(注1)2006年に「タカラ」と合併し、現在は「タカラトミー」となっている。
(注2)肩のところに腕の長さを変えるカム機構があり、ときどきこれが外れる弱点があった。修理とは言っても外れたものをはめるだけの簡単なもので、小学生でも出来るようなことだった。

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